報知

体操の暴力指導、パワハラ告発問題などスポーツ界で不祥事が相次ぐ事態を受け、スポーツ庁の鈴木大地長官(51)が1日、競技団体への指導、監督の強化を検討する考えを示した。羽田空港で取材に応じ「公金を強化に使っているし、今のままで一体持つのかという危機感もある。しっかり指導ができるような体制も考えていかなくてはいけない」と語気を強めた。
鈴木大地長官も、市立船橋、順天堂大出身の純然たる「体育会系」だ。日本のスポーツ界の体質も十分に知っているだろう。

スポーツ指導者の中には早くから海外の理論を取り入れている人も確かにいる。技術や知識のレベルでは、世界に後れを取っていない分野も結構あると思う。

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しかし指導面、メンタル面では、多くのスポーツ分野は世界水準からみれば恐ろしく立ち遅れている。
指導者が選手の自主性、主体性を尊重せずに、目標を設定し、練習を強制するようなやり方は、今、全国の高校、中学校の部活で見られる。スポーツとは、部活とは「指導者が選手をしごいて結果を出させるもの」という通念が日本中に定着している。世界でこういうことをやっているのは韓国、中国、ロシアくらいだ。

日本人選手のメンタルが弱いといわれるのは「指導者に言われたことしかできない」ことが根底にある。自分で判断すべき事態に直面して「頭の中が真っ白になる」選手が実に多いのだ。
日本人選手がよく言う「根性」も実にもろい。「これだけしごきに堪えて、厳しい練習をしてきたから大丈夫だ」という実に単純なものだからだ。苦境に立って、特に想定外の事態が出来するとこういう選手は思考停止してしまう。

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日本に古くからある「長の言うことに絶対服従」する「ムラ社会」の構造が、スポーツ界に根強く残っている。
まだ大学は「日本版NCAA」の導入など、一部教員の働き掛けがあって改革の兆しがあるが、高校以下はなかなか改革が進まない。
そもそも「部活」を包含する学校という組織が「ムラ社会」の最たるものだからだ。

今、噴出しているスポーツ界の様々な不祥事は、最も感性が豊かな選手のレベルが、この非常識で理不尽なスポーツ界の体質に「異議申し立て」をしているのだと思う。

スポーツ庁は、既存のスポーツ界の調整を優先するのではなく、「スポーツ界はこうあるべき」という理念をはっきり打ち出して、それに適合しない組織は解体を迫るくらいの強さで改革を断行してほしい。

今、こうしてスポーツ界の体質が取りざたされるのは、端的に言えば2020年東京五輪があるためだと思うが、五輪の後もスポーツ界は存続する。くだらない「メダル獲得競争」など、やめてもいいから、日本人がみんな楽しくスポーツを享受できる社会を目指して努力してほしい。

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