知らない人もいると思うが、少年軟式野球の大阪の指導者が、子供がベースタッチが甘かったことに腹を立てて、罵声を浴びせかけ、最後は平手打ちをしているところが、Youtubeに上がった。

子供は吹っ飛んでいた。もう10日近く前のできごと。この動画は、私が参加している野球指導者や医療関係者などのSNSでも早くから問題視されていた。ついに今朝のテレ朝「羽鳥愼一モーニングショー」で取り上げられるに至った。
野球関係者は困惑していた。その指導者を罰するべきだとは思っているが、少年野球のイメージダウン二はつなげたくない。

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この指導者は、自分のチームを全国屈指の強豪に育て上げていた。「勝てる少年野球」というテーマで著書まで書いていて、少年野球の代表的な指導者の一人だった。
体重も100キロ以上あり、威圧感があった。また極めて暴力的だったが、一部の父母には圧倒的に信頼されていた。そのチームには多くの子供が参加していた。
軟式ではあるが、卒団後リトルシニアやボーイズ、ヤングリーグに進む子もいた。昔ながらの典型的な「熱血指導者」だった。

しかし、少年野球の指導者仲間では、今の改革の方向性とは真逆を行く問題のある人物だという評価になっていた。少年野球の改革を進める関係者とは、ほとんど交流がない。

今、少年野球や高校野球の現場では、「改革派」と「守旧派」が対立している。少年野球の大会では守旧派のチームが勝ち進んでいるが、その一方で、改革派のチームにも注目が集まっている。
守旧派のチームについていけずに改革派に変わってくる子供も増えている。

ただ、それは「コップの中の嵐」であって、外から見る限りでは相変わらず守旧派の方が目立っている。本当に望ましいのは、強豪と言われる守旧派のチームが、改革派の考え方を理解して変わることなのだ。

しかし実際は、相変わらずこんなひどい指導をしている。そして少年野球のイメージを貶めている。

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「羽鳥慎一モーニングショー」は通常、冒頭に短いネタを一本紹介してから、本題に入る。本題は今なら体操協会だ。
今回の少年野球は、短いネタの扱いだ。まだ大事とは見なされていない。しかし、ここから火が付いて、少年野球の体質が、アメフトやレスリング、ボクシングのようにクローズアップされる事態も考えられる。

マスメディアのこうした騒ぎは、そのスポーツジャンルの改革の手助けになるとは限らない。イメージを悪化させるだけ悪化させて、ぽいと捨てられる可能性もある。

この指導者が最低なのは間違いない。そしてこの手の輩が、まだ少年野球の幹部にはたくさんいる。しかし、この指導者を血祭りにあげるだけでは、問題解決につながらない。事件の隠ぺいが巧みになるだけという事態も考えられる。

これからどう動くのか、事態を気をもみながら見守りたい。


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