高校野球は「投手の酷使」「過密な試合日程」「猛暑での試合」「奨学生、野球留学」など、改善すべき課題が山積している。「金属バット」もその一つだ。

「投手の酷使」「過密な試合日程」「猛暑での試合」は、「甲子園の伝統」だからと言い訳することができよう。甲子園ファンも高校生が苦しむところを見るのを楽しみにしているのだから。
「奨学生、野球留学」は、不十分ながらも改革はした。今の高校野球を支えているのは大阪桐蔭など有力私学であり、彼らの戦力をこれ以上殺ぐような措置はできない。

では金属バットの問題はどうなのか?
高校野球が馬鹿みたいに飛ぶバットを使っていることの弊害は、今年1月、筒香嘉智も明言している。

いま日本で使われている金属バットの弊害は大きいと思います。日本の金属バットは本当によく飛びます。年々、素材のいいバットが出てきて、飛距離は伸びています。
でも、ドミニカ共和国では16歳以前から木のバットを使っています。アメリカは大学まで金属バットを使っていますが、反発係数に制限があります。日本のバットに比べたら全然飛びません。僕も打たせてもらいましたが、木製バットに近いくらい飛ばなかった。しっかりボールを引き付けて強いスイングをしないと飛びません。
日本では昨年、夏の甲子園の1大会のホームラン記録が更新されました。もちろん優秀な打者が記録を破ったのでしょうが、圧倒的にバットのおかげで飛んでいる姿も目にします。
これは子供たちのためになっていないと思います。(プロへ進んで)木製バットで苦労するのは子供たちです。事実、苦労している選手を何人も見ていますし、僕も木製バットになれるまでに時間がかかりました。


日本の高校野球が使っている金属バットは、世界の標準からもかけ離れた反発係数だ。世界だけでなく、日本の大学野球や、プロ野球で使っている木製バットとも「別物」といっても良い。社会人も2002年から木製バットに切り替えた。金属バットが使える大会もあるが、大きな大会は木製バットだ。
だから高校生は上のレベルに進んで苦労するのだ。甲子園で派手にホームランを打った打者が、一時的にせよ落ち込むのはこのためだと言われている。

「経済的なことを考えれば木製バットは導入できない」というのであれば、反発係数の低い金属バットを使用すればよい。筒香も言及しているように、木製バットと反発係数が変わらない金属バットも既にあるのだ。

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韓国の高校野球も2004年から木製バットになった。台湾のアマチュア野球も木製バットだ。

今、反発係数が大きい金属バットを使っているのは、日本の高校野球、少年野球、そして草野球だけなのだ。草野球のおじさんは、金属バットやビヨンドマックスというよく飛ぶ人造バットを買っては、試合で振り回して喜んでいる。

高野連はこれをどう考えるのか?まさかそれも「高校野球らしさ」で片づけるつもりか?
恐らく「バットの規格を変えれば、各高校の費用負担がかかる」くらいの言い訳をするに違いない。

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本音のところでいえば、いつも支援してもらっているミズノやゼットなどの営業に影響が出ることを気にしているのだろう。
また、「大会通算何本塁打」「大会記録の何本塁打」という派手なニュースが減ることを恐れているのだろう。

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しかし金属バットの廃止、あるいは反発係数の低い金属バットへの移行はスポーツメーカーにとっては大きなビジネスチャンスだろう。

高野連が3年後からのバットの改定を発表し、メーカーに仕様の基準を出せば、木製バットと大差ない反発係数のバットはすぐに出来上がるだろう。各校は時間をかけて徐々に導入すればよいのだ。

高校野球改革の機運が高まっている。せめてそれくらいは着手してはどうか。


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