フルカウント
残るは3位決定戦の1試合だけとなり「2試合とも自分が崩して負けている。監督さんの顔に泥を塗ってしまっていますし、力を振り絞ってやりたいと思います」と語り「投げたいです」と、中国との3位決定戦への登板にも意欲を示した。



野球は競技だから、勝つことも負けることもある。うまくこいくとも失敗することもある。2度の登板で吉田は好投はしたが、ともに負けにつながる失点をした。これはスポーツの世界では当然起こりうるふつうの結果だ。しかし彼はこれを「監督さんの顔に泥を塗る」と表現した。高校野球でよく聞かれる言葉だが、これはスポーツの言葉ではない。
要するに、吉田は永田監督から何事かを私的に依頼され、それを成し遂げられなかったと解釈しているのだ。だから「泥を塗った」という汚名を雪ぐために、再度の登板を希望しているのだ。

彼の脳裏には「みんなで野球をしている」ことも「他の選手も経験を積むためにここにやってきている」ことも消えてしまっている。仲間のチャンスを奪ってでも「私憤」を晴らすためにもう一度投げさせろと言っているのだ。

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3位決定戦に勝つことは、来年のU18ワールドカップへの出場権を手にすることを意味している。当然勝利が求められる。中国は韓国や台湾に比べれば弱いが、自信喪失している今のU18にとって決して楽な相手ではない。
選手の選抜から試合の采配まで、下手を打ちまくった永田裕志監督にしたところで、失敗は許されない。この場面で3度目の「吉田との心中」はあり得ないところだ。投手は余っている。継投策で勝っていくのが正道だろう。しかし吉田がこのように発言したことで、永田監督はまた迷っているはずだ。
永田監督が、台湾戦で吉田を出したのは「なぜ、あの場面で吉田を出さなかった」と言われるのが怖かったからだろう。その程度の指導者だということだ。
今日の試合で吉田を出せば、反対に「なぜ出した」と言われかねない。信念のない指導者には難しい選択になろう。

「君はもう投げすぎている、これ以上投げないほうがいい」
「君の野球はここで終わるわけではない、将来のことを考えよう」
「テレビや新聞の期待に応えようと思ってはいけない。彼らは君のためを思っているわけではない」
「もっと自分の身体について学んだほうがいい」


まっとうな大人なら、今の吉田輝星に、こんな言葉をかけるのではないか。そういう人が周囲にいないのだろうか。あるいはいても、吉田がそれを耳を貸さないのかもしれない。

安樂智大もそうだったが、喧噪の中、こういう形で吉田輝星の未来はしぼんでいくのだ。

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1965年鵜狩道旺、全登板成績【6年ぶり2度目の2ケタ勝利】

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