今朝の全米オープンの大坂なおみとセリーナ・ウィリアムスの試合は、戦う前からある程度予想がついていた。36歳のセリーナは、すでに世界ランクでも彼女の上を行く20歳の大坂なおみの敵ではないように思えた。

それにしても圧勝だった。大坂はのびのびとテニスをしていた。そしてびっくりするような反射神経と、パワーを見せつけた。セリーナが途中でラケットを壊したのは、絶望感からではないかと思えた。
ここ1年くらいのうちに大坂はおそるべき進境を示した。おそらくは本人が思う以上の成長、進化、ジャンプアップだったと思う。

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同様のジャンプアップを見せたのが打者大谷翔平だ。ここまでMLBに来た日本人野手はみな委縮し、ダウンサイジングを余儀なくされた。あのイチローでさえもNPBで打点王を取り、OPS1位だった長距離打者ではなくなり、スモールボーラーになった。もっとも彼は「ずば抜けたスモールボーラー」になったが。
NPBで圧倒的な強打者だった松井秀喜は「なみのスラッガー」になり、中軸を打った井口資仁や岩村明憲は、つなぎ役になった。

MLBにきてさらに成績が上がった選手はここまで皆無だったのだ。しかるに大谷翔平は、NPB時代よりも長打が増え、日本人の本塁打記録を易々と抜こうとしている(このこと自体はどうでもいいが)。
大谷はNPBの貯金でプレーしているのではなく、MLBにきてから「伸びた」のだ。

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大坂と大谷翔平に共通するのは、十代の頃に過度の試合やトレーニング経験をしていないこと。そして発想が体育会系ではなく、自由で柔らかいことだ。
私はNumber Webで甲子園、高校野球は「能力、将来性の先食い」をすると書いた。
大坂と大谷は十代の頃に「先食い」をまぬかれた。その上に、日本独特の忠誠心や「燃え尽き願望」とは無縁の、気楽で前向きな明るいメンタリティを持つに至った。
そういう人間は、伸びしろが大きい。ときがくれば、自らの巨大なポテンシャルを、そのまま自在に発揮するすることができる。

日本のスポーツ指導は、いろいろな制約を設け、プレッシャーを与え、試合や猛練習で選手を酷使することで「伸びしろ」を摘んでしまっているのではないか。
日本の指導者は、選手が自分の手の内にあるうちに結果を出すことを求める。長い競技生活の中で、将来に大輪の花を咲かせることを望むのではなく、「俺の目の前で、今、咲いてみせろ」と強要する。
そのことが、選手の「伸びしろ」を奪い、あたら素晴らしい才能の持ち主を、平凡な選手に変えてしまう。

金足農の吉田輝星などは、まさに「能力、将来性の先食い」の最たるものではある。彼には今後、大坂や大谷翔平のような「伸びしろ」が残されているのだろうか?

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