昼間の3位決定戦、日本vs中国の後は、当然決勝戦があるはずと、BS-TBSをつけっぱなしにしていたが、一向に野球中継ははじまらない。いつの間にか「酒場放浪記」になっていた。この番組は大好きだが、今日見たかったのはこれではない。
「侍ジャパン」の公式サイトでも試合の速報はやっていなかった。日本戦は逐一報じていたのだが、日本が負けたとたんにやらないのだ。スポーツ紙も同様だ。

試合経過はFull-Countの福谷さんのレポートでしか知ることができなかった。福谷さんは若くてフットワークの良い記者だ。これによれば、決勝戦は素晴らしい接戦になったという。

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スコアを載せたメディアは皆無。福谷さんのレポートから作成。

韓国、台湾は抜きつ抜かれつの接戦を演じ、タイブレークに。10回、韓国が満塁から安打と連続スクイズで4点を取り、その裏の台湾の攻撃を振り切った。

見たかったと心底思う。韓国と台湾はもともと仲が悪く、ライバル心が日韓と同じくらい強い。互いの意地のぶつかり合いは面白かったはずだ。

韓国は優勝した後マウンドでペットボトルで水を掛け合い、そのボトルをグランド付近に投げ捨てたまま引き上げた。このことがスポーツ紙などで大きく取り上げられ、話題になっている。

韓国人は自己陶酔癖が日本人より強い。みっともないことだと思うが、試合の様子はろくに報じなかったくせに、このマナー違反だけは大々的に報じる日本メディアもかなりみっともないと思う。
韓国、他のアジアの国に対する蔑視、差別感情は、サンケイ新聞以外にもあるのではないか。
こういう報道をして何とも思わないジャーナリストは、何か大事なものを失っていると思うが。

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「第12回 BFA U18アジア選手権」は、ぼろぼろでお粗末な国際大会だった。パキスタンが6人しか来ずに棄権になったこともお粗末だし、予定されていたスーパーラウンドの2試合も中止になった。そしてほとんど人がいない寂しい球場で決勝戦が行われた。運営側のマネジメントはどうなっているのかと思う。

その上、侍ジャパン公式サイトは、日本戦以外はろくに報道もしなかった。放送を担当したBS-TBSも日本戦だけを報道した。他国には洟も引っかけない。大盛り上がりだった甲子園のおこぼれで、視聴率や注目を集めたいという意図がありありだった。
イチローがMLBに移籍したころに、チームメイトの誰かれなく「イチローをどう思うか」だけを聞いて回ったメディア、強かった頃のタイガー・ウッズに「石川遼をどう思うか」を聞いて回った乞食ジャーナリズムは健在だ。
こういう調子で2020年の東京五輪を迎えるのである。スポーツ界も、メディアも日本が世界に誇る「おもてなし」精神を、さぞや発揮してくれることだろう。

「侍ジャパン」は、本来は野球の未来を志向して誕生した。各世代の野球を「侍」で統一し、年代やプロアマを越えて日本野球の発展のために創設されたはずだ。
しかしその精神はとっくに忘れ去られ、あぶく銭や視聴率や、一時的な注目を集めるだけを目的にした単なる興行集団に成り下がっている。

日本は野球では韓国に負けたが、「身内のことしか気にしない」「他者からどう見られようと気にしない」という「田舎者競争」では、韓国と好勝負を演じたようである。

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