yakyugumo-00


豊浦彰太郎さんが舌鋒鋭く福浦の2000本安打について論じている。
「ロッテ福浦2000本安打達成」の違和感

はじめてお目にかかったのは2011年だったと思うが、マニー・ラミレスを見に一緒に高知に行ったりもした。立派な見識を持った書き手だと思う。今回の件については全く同意見だ。

福浦の件も、加賀繁の件も同様だが、我々が違和感を抱くのはともに「公私混同」だからだろう。

福浦の2000本安打も、加賀繁の引退試合も、「私事」である。もちろん2人ともNPB公認の選手であり、球団に所属した「公人」ではあるが、彼らの記録や引退は「個人的」な事情であり、ペナントレースという「公事」より優先されるべきではない。

それが逆転して「私事」が「公事」よりも大事になされたことが、違和感の根源だと思う。

IMG_8357


福浦の場合は、すでに補助戦力となって久しく、普通であれば引退してもおかしくないレベルの選手でありながら「2000本」という「私事」の達成のために現役を続行し、監督や球団もそれを容認した。
その背景には、球団には「福浦2000本カウントダウン」を、マーケティング的に利用しようという思惑があった。井口監督は、元同僚に配慮をしたいという意向があった。
しかし「マーケティング」は、営利企業としては「公事」かもしれないが、プロ野球という競技からみれば「私事」であり、これが優先されることはあってはならない。もちろん井口監督の「人間関係」も「私事」だ。

IMG_5343


加賀繁の引退も、「私事」を「公事」に優先させたものだということができる。

プロ野球の「憲法」である野球協約の総則の第1章には
「この協約は、わが国の野球を不朽の国技として社会の文化的公共財とするよう努め、野球の
権威及び技術に対する信頼を確保する」


とある。ペナントレースも「文化的公共財」であるとの認識で行われている。だとすれば、「私事」を大事な「公事」より優先させるような動きは、厳に戒めなければならない。

固いことを言うようだが、この部分がぐずぐずになれば、プロ野球の信頼性が損なわれる。ただの「野球ショー」になってしまう。

今回の件で反論する人は「福浦や加賀を非難するな、彼らは大事なチームの一員だ」と言っているようだが、そもそも福浦や加賀を攻撃しているわけではない。
こういう「公私混同」を容認している球団やNPBに問題があるといっている。

この分別が理解できない人がたくさんいるのは、残念なことだが、この部分は野球の未来のためにも譲ることができない。


20失点以上記録チーム

私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひコメントもお寄せください!

好評発売中!