2000本安打のハードルがどんどん低くなる中で、日本の打者の「目標」は今後何になるのか、ちょっと不明確になってきているように思う。

投手の目標は今後も変わらないだろう。
超高校級と言われるエリート投手は、甲子園から直のプロ入り、あるいは大学を出てプロ入りし、好成績を上げてMLBに行くのが最終目標になっている。好成績を上げれば、20億円前後の年俸を複数年で手にすることが可能だ。バカな使い方をしない限り、大金持ちになることができる。経済面だけでなく、世界的なアスリートというステイタスも得ることができる。日本人だけでなく多くの元大物メジャーリーガーは、セレブの仲間入りをしている。

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打者もイチローが出てからはそれが目標になった。しかしイチローと松井秀喜以外には、MLBで「成功」と言えるだけの実績を収めた選手は出てこなかったために、この目標は非現実的なものになりつつある。
今の日本の打者の最終目標は、とりあえず「2000本安打」だろう。これを達成すれば、全国紙が朝刊の1面で取り上げてくれる。「名球会」にも入ることができる。知名度が上がって引退後の身の振り方も有利になる。「名球会」のメンバーになれば、講演料も跳ね上がると言われている。
しかしながら、昭和の時代までは「2000本安打即殿堂入り」だったが、今ではそうではなくなっている。
52人の2000本安打達成者のうち、殿堂入り有資格者は35人いるが、殿堂入りしたのは22人だけ。特に2100本以下では、13人中殿堂入りしたのは古田敦也と江藤愼一だけだ。
2000本安打は、打者の最終目標ではなくなりつつある。言い方を変えれば、大した打者でもないのに「長く現役を続けた」だけで2000本に到達した打者が増えて、価値の下落が起こっているということになろう。

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足が速ければ「トリプルスリー」は、目標になるかもしれない。従来の打撃タイトルもまだ目標ではあろう。
しかしスポーツの国際化が進む中で、打者の目標はドメスティックでスケールが小さいように思える。

これを打破するためにも、MLBで成功する打者が出てきてほしい。大谷翔平は例外的に「MLBに来てから打撃成績が向上した」唯一の選手だが、彼はあまりにも破格過ぎて、目標にはならないのではないか。

MLBで普通に通用する打者、野手が出てこない限り、打者としての未来に希望を抱く野球少年は減ってしまうのではないかと思う。

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