いや参った!セオドア・ルーズベルトは「野球で一番面白いのは8対7の試合だ」と言ったそうだが、その8対7の試合の中でも、これほどすごい試合は滅多にないだろう。
昨日の試合前の時点で、アリーグ東地区の2位は、90勝71敗の相星でボストン・レッドソックス=BOSと、タンパベイ・レイズ=TBが並んでいた。
BOSは9月に入って7勝18敗、TBは16勝9敗。月初に9ゲームあった両チームの差は、BOSが負け越し11、TBが勝ち越し7となったため、きっちり0となって、シーズン最終戦を迎えたのだ。
しかし、BOSの相手は同地区最下位のボルチモア・オリオールズ=BAL、TBはすでに優勝を決めているとはいえニューヨーク・ヤンキース=NYY。ワイルドカード争いに勝ってポストシーズン進出する可能性は、まだBOSの方がやや大きいと見られた。ここまで来ると百戦錬磨のBOSと、新興チームTBの経験の差もモノを言うと思われたのだが。
TB対NYYとBAL対BOSは、ともに東部時間の午後7時にプレイボール。
TB対NYY。NYYはMLB未勝利のベタンセスが先発、対するTBは今季12勝のプライス。しかし、NYYはプライスを打ちこみ、4回で6点と大きくリード。NYYは2回でベタンセスを引っ込め、以後、コントス、ラフィー、バルデスと他チームから獲得した若手を使い、その間にフィル・ヒューズ、AJ・バーネットと先発投手にも投げさせる。まるで投手の虫干しのようだ。TBは毎回変わる投手を攻めあぐねていた。7回を終わって7対0。完全に勝負あったと思われたが、8回裏、ローガン、アヤラというNYYの救援投手を打ちこんだ。満塁から3点を取ったのち、今季不振の主砲、エヴァン・ロンゴリアが3ラン。1点差に迫った。
しかし、TBの最終回は2死走者なし。今度こそ終わりかと思ったが、ここで代打に立ったダン・ジョンソンがカウント2-2からコーリー・ウェードが投じた83マイルのチェンジアップをすくいあげ、右翼に叩き込んだ。これで同点。一昨年横浜にいたときは、ぱっとしなかったジョンソン、今年もこれまで1本塁打だったが、まさに起死回生の一発だ。えらい試合になってきた。NYYはこの回、マリアノ・リベラを出さなかった。ポストシーズンのために温存したのだろうが、BOSにしてみれば恨めしい限りだ。
この頃、BAL対BOSも大詰めを迎えていた。9回、3対2でリードしたBOS。先発レスター、アセべス、バードとつなぎ、31セーブのクローザー、パベルボンがマウンドへ。望みうる最高の投手リレーだ。パベルボンはアダム・ジョーンズ、マーク・レイノルズを連続三振。この時点で、BOSは最低でも1デイプレイオフへの出場権は手中にしたと思われた。しかしクリス・デービスに二塁打を打たれると、パベルボンは魔物に魅入られたように相手打者に捉えられていく。ノラン・レイモルドのシングルで同点、そしてこの日無安打の1番ロバート・アンディーノが1-1から90マイルのスプリッターを左前に運び、サヨナラ勝ち。何と恐ろしい試合だろうか。
BOSナインは、NYYがTBを振り切ってくれることを必死で祈っていたに違いない。
しかし、ここまでくれば、お膳立てはできたようなものだ。延長12回1死、8月にアトランタ・ブレーブスからNYYに来たスコット・プロクターの5球目、95マイルのフォーシームをエヴァン・ロンゴリアが左翼に運び、決着をつけた。ロンゴリアは今日2本目。新興チームTBの台頭を象徴するプロスペクトだったが、この日、彼は千両役者になった。BAL対BOS戦が終わって1時間28分後、あと6分で9月29日になろうかとする頃に、アリーグ最後のポストシーズン出場チームが決まった。
フランコナー監督以下、BOSの面々はくずおれたことだろう。
BOSの敗因は、投手陣を最後まで整備できなかったことにある。強大な打撃力で強引に乗り切ろうとしたが、9月になって完全に手詰まりになった。フランコナー監督の片腕だった投手コーチ、ジョン・ファレルが今年、TORの監督になって抜けたことも大きかったのではないか。しかし、BOSのファンは眠れないだろう。
ナリーグも相星で最終戦を迎え、こちらも追撃していたセントルイス・カージナルス=STLがATLを最後で刺して出場権を得た。
MLBは、シーズン終盤で大クライマックスを迎えることが少なくない。これは、引き分けがないために、相星になることが多いからだ。また、試合が雨で流れると翌日にダブルヘッダーにするなど、各チームの消化試合数がそろうように最大限の努力をすることも大きい。NPBのように、消化が早かったチームが早くにシーズンを終えてしまい、他チームの結果を見守るというような間が抜けたことはない。
1日置いてポストシーズンが始まる。過密なスケジュールのMLBだが、それはファンサービスなのだ、ということがよくわかる。
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BOSは9月に入って7勝18敗、TBは16勝9敗。月初に9ゲームあった両チームの差は、BOSが負け越し11、TBが勝ち越し7となったため、きっちり0となって、シーズン最終戦を迎えたのだ。
しかし、BOSの相手は同地区最下位のボルチモア・オリオールズ=BAL、TBはすでに優勝を決めているとはいえニューヨーク・ヤンキース=NYY。ワイルドカード争いに勝ってポストシーズン進出する可能性は、まだBOSの方がやや大きいと見られた。ここまで来ると百戦錬磨のBOSと、新興チームTBの経験の差もモノを言うと思われたのだが。
TB対NYYとBAL対BOSは、ともに東部時間の午後7時にプレイボール。
TB対NYY。NYYはMLB未勝利のベタンセスが先発、対するTBは今季12勝のプライス。しかし、NYYはプライスを打ちこみ、4回で6点と大きくリード。NYYは2回でベタンセスを引っ込め、以後、コントス、ラフィー、バルデスと他チームから獲得した若手を使い、その間にフィル・ヒューズ、AJ・バーネットと先発投手にも投げさせる。まるで投手の虫干しのようだ。TBは毎回変わる投手を攻めあぐねていた。7回を終わって7対0。完全に勝負あったと思われたが、8回裏、ローガン、アヤラというNYYの救援投手を打ちこんだ。満塁から3点を取ったのち、今季不振の主砲、エヴァン・ロンゴリアが3ラン。1点差に迫った。
しかし、TBの最終回は2死走者なし。今度こそ終わりかと思ったが、ここで代打に立ったダン・ジョンソンがカウント2-2からコーリー・ウェードが投じた83マイルのチェンジアップをすくいあげ、右翼に叩き込んだ。これで同点。一昨年横浜にいたときは、ぱっとしなかったジョンソン、今年もこれまで1本塁打だったが、まさに起死回生の一発だ。えらい試合になってきた。NYYはこの回、マリアノ・リベラを出さなかった。ポストシーズンのために温存したのだろうが、BOSにしてみれば恨めしい限りだ。
この頃、BAL対BOSも大詰めを迎えていた。9回、3対2でリードしたBOS。先発レスター、アセべス、バードとつなぎ、31セーブのクローザー、パベルボンがマウンドへ。望みうる最高の投手リレーだ。パベルボンはアダム・ジョーンズ、マーク・レイノルズを連続三振。この時点で、BOSは最低でも1デイプレイオフへの出場権は手中にしたと思われた。しかしクリス・デービスに二塁打を打たれると、パベルボンは魔物に魅入られたように相手打者に捉えられていく。ノラン・レイモルドのシングルで同点、そしてこの日無安打の1番ロバート・アンディーノが1-1から90マイルのスプリッターを左前に運び、サヨナラ勝ち。何と恐ろしい試合だろうか。
BOSナインは、NYYがTBを振り切ってくれることを必死で祈っていたに違いない。
しかし、ここまでくれば、お膳立てはできたようなものだ。延長12回1死、8月にアトランタ・ブレーブスからNYYに来たスコット・プロクターの5球目、95マイルのフォーシームをエヴァン・ロンゴリアが左翼に運び、決着をつけた。ロンゴリアは今日2本目。新興チームTBの台頭を象徴するプロスペクトだったが、この日、彼は千両役者になった。BAL対BOS戦が終わって1時間28分後、あと6分で9月29日になろうかとする頃に、アリーグ最後のポストシーズン出場チームが決まった。
フランコナー監督以下、BOSの面々はくずおれたことだろう。
BOSの敗因は、投手陣を最後まで整備できなかったことにある。強大な打撃力で強引に乗り切ろうとしたが、9月になって完全に手詰まりになった。フランコナー監督の片腕だった投手コーチ、ジョン・ファレルが今年、TORの監督になって抜けたことも大きかったのではないか。しかし、BOSのファンは眠れないだろう。
ナリーグも相星で最終戦を迎え、こちらも追撃していたセントルイス・カージナルス=STLがATLを最後で刺して出場権を得た。
MLBは、シーズン終盤で大クライマックスを迎えることが少なくない。これは、引き分けがないために、相星になることが多いからだ。また、試合が雨で流れると翌日にダブルヘッダーにするなど、各チームの消化試合数がそろうように最大限の努力をすることも大きい。NPBのように、消化が早かったチームが早くにシーズンを終えてしまい、他チームの結果を見守るというような間が抜けたことはない。
1日置いてポストシーズンが始まる。過密なスケジュールのMLBだが、それはファンサービスなのだ、ということがよくわかる。
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