久々に有力社会人スポーツチームの廃部のニュースである。

朝日
アイスホッケーのアジアリーグで優勝4度の強豪・日本製紙クレインズが今季限りで廃部することが18日、わかった。19日に会見がある予定。チームは北海道釧路市を拠点に1949年、十条製紙アイスホッケー部として発足。93年に現在のチーム名となり、全日本選手権を過去7度、2003年に始まったアジアリーグを4度制した。16日まで開かれた今年の同選手権は3位で、アジアリーグは現在8チーム中2位。
たまたま今、北海道にいるが、地元では大きなニュースになっている。このチームは厳密にはクラブチームであり、北海道ではプロチームだと言っている。

日本のスポーツは、学生、プロ、社会人の3つのカテゴリーで進化してきた。
学生スポーツはいわゆる「部活」であって、学校の名誉のために生徒が必死で頑張る。目標は全国大会だった。
プロは「職業」だが、それで飯が食えるのは少し前まで実質的に野球だけ。のちにサッカーが加わったが、それ以外のプロスポーツは「食える」レベルに達していない。

多くのスポーツでは、学生を卒業してさらにスポーツを続けたいと思えば社会人に進む以外の選択肢はなかった。
社会人とは、一般企業が選手を社員として雇い、仕事のかたわらでスポーツをさせるものだ。仕事とスポーツは、学校スポーツでいう学業と部活に近い関係だが、実質的にプロと同じようにスポーツをする環境が保障されていた。
企業が社会人スポーツを保有する目的は、一つには「知名度アップ」などの広告効果、二つ目には「社員のロイヤリティを高める」というものだ。つまり「外向き」「内向き」ともに「会社のイメージアップ」が目的だ。
しかしながら、そのエビデンスは数値的に示されることはなかった。大企業は何となく社会人スポーツを保有するのがステイタスであり、平たく言えば経営者の道楽のようなものだった。

ちなみにアメリカには日本と同じような「社会人スポーツ」はない。

しかし近年、社会人スポーツは厳しい状況に置かれている。

従来の日本企業は、従業員、そして顧客の利益を優先していたが、アメリカ式の企業経営に改革を余儀なくされたことにより「株主中心」の考え方に代わった。
「会社の士気向上」「福利厚生の一環」などという社会人スポーツの意義は、株主には理解されない。「何のためにやっているのかわからない」という批判が高まり、廃部が続いた。

社会人スポーツの当事者にもコスト意識、経営意識が欠如していた。選手も指導者も「自分たちはスポーツさえしていればいいのだ」という認識があり、企業環境の変化にあまりにも無関心だった。

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今、社会人スポーツは「クラブスポーツ」へと急激に移行しつつある。独立採算が前提だ。元の会社が支援するが、資金的に支援の内容でも、以前とは段違いになる。
指導者上りがクラブの経営をすることが多いが、素人であることも多く、困難を極める。立ちいかなくなることもある。

野球の社会人でもクラブチームが多くなっているが、こうなると独立リーグよりも経営的に不安になったりする。

プロになる一握りの選手以外の「未来」が、閉ざされつつあることを我々は認識すべきだろう。

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東京球場・シーズン最多本塁打打者/1962~1972

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