女子ゴルフ公式戦をめぐって、大きな動きがあったようだ。

東スポ

日本女子プロゴルフ協会(LPGA)は18日、2019年のツアー日程を発表した。新規大会として「資生堂アネッサレディス」(7月4~7日、神奈川・戸塚CC)が加わった一方で3大会が中止となり、東日本大震災と熊本地震の影響で開催中止があった2シーズンを除くと、10年ぶりの試合数減少となった。中止の理由はいずれも「放映権がLPGAに帰属する」条件に合意しなかったことだが、これにより大きな波紋が広がっている。

他のプロスポーツと同様、ゴルフもテレビ、新聞メディアが大会を主催し、放映していた。日本プロゴルフ協会や、そこから独立したLPGAは、公式戦については公認をし、主催者より上位にあることになっているが、興行収益や放映権は主催者の懐に入る。放映権の二次使用料も協会には入らない。

そのために、JPGAやLPGAの運営は安定せず、スポンサーの動向に左右されがちだった。
そこでLPGAでは、運営団体、競技者の主体性を強化するために、各大会の放映権をLPGAに帰属する形に切り替えようとした。

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しかし主催者、なかでもテレビ局は、これに強く反対した。今回中止となった3大会は、「KKT杯バンテリンレディス」「中京テレビ・ブリヂストンレディス」「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」(KKTはくまもと県民テレビ)。また、日本テレビがLPGAと共催してきた「ワールドレディス」も、日本テレビが激しく抵抗したために宙に浮いている。

テレビ局がスポーツイベント(だけではなくいろんな事業をしているが)を直截主催するのは、日本くらいだ。言論機関の公平性のことを考えても、これは異常なのだ。

LPGAの取り組みは、勇気ある挑戦であり、スポーツビジネスの自立のためには必要だが、選手などからは「せっかくの大会がなくなるのは残念だ」という声も聞こえる。選手は自分たちのために協会が動いてくれているという認識がないのだ。

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アメリカではMLBもNFLもNBAも、もちろんPGAも放映権を保有している。それを背景に大きな経済力を有し、ライセンスやフランチャイズビジネスを大胆に推進している。本来、そうあるべきなのだ。

本来、NPBも、放映権を一括で保有すべきなのだ。それによって、ガバナンスも飛躍的に向上し、日本野球のビジネスモデルも進化するはずだ。
しかし、そうした動きは全くない。プロ野球の放映権は、昔に比べればずっと小さくなっているが、日本テレビをはじめとするメディアは手放そうとはしない。
野球界の改革のためには、NPBが主導権を握るべきなのだが、その動きはないし、それをすれば、メディアは激しく抵抗するだろう。

LPGAの苦境は、日本のプロ野球にとっても他人事ではないのだ。


東京球場・シーズン最多本塁打打者/1962~1972

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