2月、契約最終年の大打者、アルバート・プホルズのFA交渉が妥結せず、今季限りでの離脱が濃厚になった時点で、セントルイス・カーディナルス=STLの将来には暗雲が立ち込めたように思われた。しかし、今年のSTLの打撃陣は、かなりよくやったといえよう。
前年と今年の成績の対比。各STATSのアリーグ14球団での順位、各数値の昨対を入れた。

STL-2011-Bat






後知恵でいうが、ランス・バークマンを獲得したことが大きかった。6月にプホルズが腕を亀裂骨折。DL入りを余儀なくされたが、この穴をバークマンが埋めたのだ。ヒューストン・アストロズの主力打者として活躍したバークマンだが、昨年は14本塁打だっただけに大きな期待はされていなかったが、見事に復活した。
スターリン・カストロの成長によってシカゴ・カブス=CHCを追われたライアン・テリオもまずますの活躍。ベテランを獲得して錆びを落とし、再生して戦力にする。トニー・ラルーサの手腕の見事さだ。
マット・ホリデーは、安定感のあるNo.2役を今年も果たしたが、徐々に数字が下がってきているのが気がかりだ。
2年目のジョン・ジェイは、中堅75試合、右翼56試合、左翼19試合を守った。確実性のある打撃で、規定打席ちょうどの503に立ち3割をマーク。
3年目のデヴィッド・フリースは5、6月を故障で丸ごと棒に振ったが、シュアな打撃で後半戦は主軸の働き。ポストシーズンは救世主になった。
この2人はポストプホルズの中心選手になっていくのだろう。
結果的に昨年を上回るリーグトップクラスの打線になったSTL。気がかりなのは、機動力が年々落ちていること。今年のチーム盗塁王はタイラー・グリーンの11だった。3番打者タイプが多く、1、2番に適材を欠いているきらいがある。
プホルズの落ち込みを、新戦力など他のメンバーでフォローして、90勝という最小の数字ながらポストシーズンに進出。フリースの神がかった活躍もあり、ワールドチャンピオンに。
しかし、来季は監督が代わる。恐らくプホルズもいない。陣容の立て直しが必至のSTLである。

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