日本的な「ムラ社会」「会社社会」にはそぐわないかもしれないが、誠に妥当な提案だ。

報知
日本野球機構(NPB)と日本プロ野球選手会の事務折衝が22日、都内で行われ、選手会から巨人の丸佳浩外野手(29)と西武の秋山翔吾外野手(30)が出席した。主に移籍の活性化について話し合い、選手会は出場機会の少ない選手を対象とした「現役ドラフト」の導入を改めて訴えた。
丸は広島在籍時に現役ドラフトについて2軍選手と意見交換した事実を明かし、「チーム事情でなかなかチャンスをもらえないこともある。他のチームでチャンスをもらえるなら、モチベーションが上がると言っていた」と現場の声を届けた。


ルール5ドラフトとは
有望選手が十分な活躍の場を与えられずにマイナーリーグで半ば飼い殺し状態になることを防ぐため、他チームの所属選手を指名し獲得できる制度。名称の由来はMLB規約の第5条に規定されていることから。一般のアマチュアドラフトはルール4ドラフトと呼ばれる。

ルール5ドラフトは、毎年12月のウインターミーティング最終日に行われる。40人枠に空きがあるチームのみ参加可能。40人枠を外れたマイナー選手を指名する。日本に来ている外国人選手の中にも、この制度で移籍した選手がたくさんいる。MLBでは全く珍しいことではない。

「40人枠に空きがあるチーム」という資格は、ルール5ドラフトで指名した選手は「25人枠」に入れなければならない、とう前提からきている。その分、25人枠からはじかれた選手を40人枠にとどめるために「枠に空きがある」ことが前提になっている。

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端的に言えば、日本のFA制度の「人的補償」制度だけを抜き出したような制度だ。日本にはメジャー契約、マイナー契約はない。支配下枠は70人だが、おそらくFAのように一定の選手をプロテクトをしたうえで、そこから外れた選手のやり取りをする形になるだろう。

日本では「控えでも、飼い殺しでも、球団にとどまっていたい」という選手が結構いる。長野の件でもそうだが「控えでも球団においてやるのが温情」という意識も球団にはある。
サラリーマンのことを「社畜」というが、それに近いメンタリティの選手には、迷惑な話ではあろう。とにかく、日本では「移籍」は悲劇のように思われているから、好き好んでそういう目にあいたいという選手も少数派かもしれない。

しかし、野球はどんなチームでも「試合に出てなんぼ」である。この制度は、NPB球団としては好ましく思わないかもしれないが、プロ野球の活性化のために「流動性を高めること」は、非常に重要だ。

先日、プロ野球選手会の山崎卓也顧問弁護士と少し話したが、この方は開明的な人だ。
日本人選手のメジャー移籍などにも携わっていて、MLBの事情をよく知っておられる。「ルール5ドラフト」の導入が日本野球の活性化につながると確信しているのだろう。

さっさと導入すればよいと思う。

1981年角三男、全登板成績【ストッパーで日本一に貢献、最優秀救援投手も獲得】

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