高知商の野球部員がダンス同好会のイベントに出て高野連から部長が目玉を食らった一件、TBS系「ひるおび」に取り上げられたようだ。こうなったら、話題は全国レベルになる。

立川志らく
「もう、今年の甲子園はタダですね」「処分するならね、タダにしなくちゃだめですよ」
「一生懸命やっているのに。ちゃんと教えてあげればいいじゃないねぇ、あなたがた、いいことしたんだよと。だけど、こういうルールにも引っかかる可能性があるから、今後はちゃんと相談してくださいねと。今回は、あなたがたの気持ちを汲んで、部長は処分しませんからねって。それで済む話なのに」


「タダ」という理屈は実は通らない。学生野球憲章には以下の条文がある。

第3章 試合・大会の運営
3 学生野球団体は、主催する試合・大会において、学生野球団体の運営経費、試合・大会に必要な経費および参加学校における体育の普及と発展に必要な経費に充当するため入場料を徴収することができる。


せめてこの条文くらいは頭に入れて、意見を言うべきではある。

そして、「有料のイベントに出た」ことと「ユニフォーム姿で舞台に上がった」ことは、確かに「学生野球憲章」に抵触する可能性はある。

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ではあるが、その内容を吟味すれば、悪質性は全くないのであり、責任者の部長にペナルティを課す必要は全くない。
むしろ、こういう事例については例外規定を設けて(例えば学校行事については認めるとか)処理すればいい話だ。

しかし高知商の梶原部長は現在、謹慎中で、現地から聞こえてきた話では、野球部長を辞職する可能性さえあるという。

一方で監督が、部員に暴力をふるった春日部共栄高校では、監督は責任を取って指導を外れるが、部員はおとがめなしだそうだ。

高知商も春日部共栄も、ともに指導者が外れた形で、選抜の選考対象になっている。ペナルティの重さではほぼ同じになっている。

学校部活の現場での「指導者の暴力」と「ダンス公演へのゲスト出場」のどちらが深刻な問題かは、誰にでもわかると思うが。

これまでの高野連の原則にのっとれば、春日部共栄は選考基準から外れるのではないのか。別に「連帯責任」を支持するわけではないが、なぜ高野連は春日部共栄には異様に甘く、高知商にはこんなに厳しいのか。

高知商の梶原部長が、前例のないことを次々と行うようなユニークな指導者で、県高野連の年寄りからにらまれていたことが、影響しているのではないか。

日本高野連は、高知商の一件に対し「おとがめなし」にする可能性もあるという話も聞いた。
もし、そうなるとすれば、梶原部長は謹慎を解かれるべきだし、野球部、ダンス同好会の指導にも復帰すべきだ。

日本的な「世間を騒がせた責任を取って」指導を自粛したり、やめたりするようなことがあってはならない。
こんなに優秀な指導者がつまらない事件で指導できなくなるのは、教育界の大きな損失だ。


1981年角三男、全登板成績【ストッパーで日本一に貢献、最優秀救援投手も獲得】

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