世の中には構造不況業種と言われる業種が結構あるが、スポーツ新聞ほど深刻な状況になっている業種はちょっとないのではないか。

一般紙とスポーツ紙の公表されている発行部数の1997年から並べると以下のようになる。

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左の表は販売部数。単位万部。右のグラフは1997年を100として2018年までの増減だ。

スポーツ紙は20年前から半減している。2017年から2018年では28万部も減っている。この勢いでは、10数年でスポーツ紙というメディアがこの世から消滅することになる。

一般紙は少しマシな感じだが、それでもここ20年で2割減少している。実際には一般紙ももっと落ち込んでいるのではないかと思われる。
今の新聞社は、各販売店に配布部数以上の新聞を買い取らせている。いわゆる「押し紙」である。販売店の多くは経営難になっている。今、東横インなどのビジネスホテルで、一般紙がタダで読めるようになっているのは、近所の販売店から押し紙を安価で購入しているからだ。一般紙がそうまでして部数を維持しようとしているのは、発行部数が「広告費」の基準になっているからだ。
スポーツ紙は宅配が少ないので押し紙がない。そのために「実数」になっている。実態は一般紙も大差ないのではないかと思われる。

ここまで落ち込んでいる新聞が、スポーツメディアのど真ん中にいる。特にスポーツ紙の記者たちは年々人員を削減され、経費を絞られている。記者も「部数販売」のノルマを持っていることが多く、私などにも「3か月でいいからとってくれ」と言ってくることがある。

そういう状況で、思い切った記事など書けるはずもない。当たり障りのない記事を適当に書くことしかできない。モチベーションの低さが誌面に表れている。
「野球改革」の機運が、新聞メディアに高まらないのは、多くの記者が「野球、スポーツの将来どころではない」境遇になっているからだろう。

一方で、野球界は新聞社、とりわけスポーツ新聞社には「同志的な感情」を抱いている。高野連などにも新聞社や通信社からの出向者が多いし、プロ野球にもいる。そういうこともあって広報担当者は、スポーツ紙をサポートしようという意識が強い。
一般の取材源とジャーナリストの間にある緊張感はなく「お互い適当にやりましょうや」というなれ合いの気分が蔓延している。

こうした「濁った空気」も野球界の未来を暗いものにしている。筒香嘉智の志など理解できない人が、野球界とその周辺にはたくさんいるのだ。


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