私は球団の広報やその他の職員と接触することが多いが、言葉の端々に感じられるのは「選手を本当に大事にしている」ということだ。

記事の文章表現では、少しでも選手の本意にそわない言辞は修正を求められる。選手の名誉にかかわることは最大限守ろうとする。また、スタッフは選手の野球以外の負担を最小限にするために、こまごまとした仕事もする。
プロ野球は選手あってのものだから、当然の話だ。プロ野球という企業にとって、選手はほとんど唯一の「生産手段」なのだ。

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しかしながら球団は、同時にファンに少しでも大きなお金を落とさせるために、ファンサービスも充実させている。ほとんど唯一の売り物である「選手」を前面に押し出してファンにアピールしている。

唯一の資産でありコンテンツだから選手は大事に守らなければならないが、同時にそのコンテンツをファンにさらさなければ、新たなビジネスは展開できない。
球団にとって、選手とはそういうアンビバレンツな存在なのだ。

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野球のキャンプでは、選手のファンサービスも大きな売り物になる。シーズン中より選手と距離感が近くなる。ファンは選手委少しでも接近しようとする。

だから、今回の松坂大輔のようなアクシデントも生じる。

松坂の事件の責任の一端は、どんどんファンと選手の距離感を縮めて、選手を危険にさらした球団にある。率直に言えば、ろくに野球も見ずにスタンドで大騒ぎするようなファンを、球団は甘やかし続けたのである。ファンをここまで付け上がらせたのは、球団だ。

同時に、近年のプロ野球観客動員増に伴い、ファンの質も低下している。「サービスしてくれて当たり前」と思うバカなファンが増えている。そういうファンは面の皮が厚いから、選手にどんどん近づくのだ。モンスターといわれる劣悪な人間は、野球界にも出現したのだ。

こうした状況から見えてくるのは、今のプロ野球の観客動員増は「野球ファンが増えたから」ではなく「野球で空騒ぎをしたい連中」が増えたことによるということだ。

松坂がもし、今期を棒に振るようなことがあれば、そして選手生活に影響が出るとすれば、選手とファンの距離感は少し変化するだろう。
願わくは、球団が選手とファンの接触を制限するのではなく、ファンが自ら抑制して、選手の野球環境、練習環境を守ろうという機運が生まれることだ。

「選手にさわった」「選手と話した」みたいなくだらないことで、喜ぶようなレベルの低いファンは、さっさと駆逐されればいいと思う。

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