79歳だし。かなり頭も弱くなって、こういう調子で危険性がないから、民間出身だがコミッショナーにしたのだろう。
日刊スポーツ 斉藤コミッショナー
球団数の増減は難しい問題だ。平成の大課題になって、近鉄が消えるとか大きな問題が起きた時に、真剣に新しい参加者の楽天などが討議された。今は非常に安定している。12(球団)で(セ、パが)6、6で。大洋、近鉄など財政的に厳しいところがあったが、今は観客が多い。特に球場を持っているところは収益が安定している。そうでないところも強いチームを持って、経済的な問題がない。だから球団を増やす、減らすという問題は、アクシデントがないと、普通の状態では、ないと思う。

12球団が潤っている。「経済的な問題がない」から、エクスパンションはしないというのだ。
この人は野村證券の副社長を経て、日本取引所グループのCEOなどを歴任している。筋目正しいビジネスマンだが、79歳だし、耄碌してしまったのだろう。
だから、日本の耄碌老人の元締め、ナベツネの眼鏡にかなってコミッショナーにしてもらったのだろう。

今、NPBのマーケットは12球団の本拠地エリアの極めて狭い地域にしか存在しない。そのエリアに球団のマーケティングによって、狂信的なファンの塊ができて、狂ったように球場に駆け付けている。
広島がこの間、昭和時代の感覚で整理券を配布しようとして炎上したが、言い換えれば5万人+なにがしかの観客が72試合に連日のように出かけるだけで、ビジネスが成り立っているのだ。
2500万人の観客動員だが、ユニークユーザーは1000万人いない。だから地上波の視聴率は5%ほどしかないのだ。日本人のほとんどが野球に興味がない中で、マニアだけが騒いでいるのが今の野球界だ。

他のエリアの消費者、そして若年層は野球には見向きもしていない。その若年層が消費の中心になるにしたがって、プロ野球の市場は確実に減少するのだ。

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今、できることは、拠点をさらに作って、積極的なマーケティングを行い、そこにコアな野球ファンを創出し、市場、顧客を拡大することだ。
MLBが北米4大スポーツの厳しい競争の中で、今も大きな位置を占めているのは、20世紀後半から次々とエクスパンションをして、市場と顧客を獲得してきたからだ。3000万人の観客が7000万人に増えることで、スケールメリットもできて、メジャースポーツの地位を保っているのだ。

12球団が適正という認識だ。一方で横浜、マツダなど球場の収容人数は限界に近づいている。大リーグは16から30と球団を増やしたが、日本は1958年(昭33)から12のまま。球団増への懸念は、1球団あたり利益の希薄化(ダイリューション)だ。

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エリアをはっきり分ければ、ダイリューションは起こらないのはMLBの事例でもわかるし、Jリーグの例もある。
要するに「この年になってしんどいことはしたくない」という老人の怠惰が言い訳となっただけだ。エクスパンションについてシミュレーションを行って、そういう結果が出たのならともかく、何の検討もしていないのに、なぜそんないい加減なことを言うのだろう。

12球団が、今甘い汁を吸っている自分たちのことだけ考えて、将来のことも他のエリアのことも一顧だにしないのであれば、21世紀後半には嘘のようなマイナー競技になり果てているだろう。

斉藤コミッショナーのこの言葉には、覇気も、若さも、ビジネスマンとしての聡明さもない。コミッショナーとしてタダで野球がみられるのがうれしくて仕方がない、ただの老人である。

球団単位で見れば、いろいろ努力をしているが、結局、プロ野球というのは「自分たちの今」しか考えない人たちの集団なのだという思いを強くする。

そのご意見をありがたく拝聴する日刊スポーツなどのスポーツ紙はプロ野球より先に絶滅することが決まっている。もう破綻しかかってるのに気が付かない。
ぼろ船に乗って嵐が近づく海を航行しているのに、宴会をしているおめでたい連中は、救いがたい。


2018年原樹理、全登板成績

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