「おごれるもの久しからず」というが、前澤さんほど、短期間に毀誉褒貶した人も珍しい。

去年の今頃は「ZOZOTOWN」というビジネスモデルは、「素晴らしい」ともてはやされ、アマゾンや楽天の先を行っているかのような、注目ぶりだった。

その余勢をかって、プロ野球への参入を表明した。ZOZOはすでにロッテの本拠地のネーミングライツをしていたが、この人は、プロ野球の賑わいが魅力的に映ったのだろう。

12球団の経営者もコミッショナーも、ビジネス感覚はないし、自分たちのことしか眼中にない。観客が入っているうちにエクスパンションすべきだと、関係者や多くの識者が言っても、全く耳を貸さなかった。

そんな中で時代の寵児がプロ野球に興味を示したのだ。2004年の球界再編時のホリエモンや三木谷さんのように、旋風を巻き起こすかと思えたのだが。

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この人は「お金持ちになったことを実感する」ことの方を優先してしまった。女優と浮名を流し、月に行くと言い、馬鹿な買い物をした挙句、お金をばらまいた。

こうした「成金ぶり」が、世間の反発を買うとともに、強引なマーケティングが、出店者である大手アパレルの撤退を招き、ZOZOTOWNと前澤さんは、一気に逆風にさらされるようになった。

ビジネスモデルが当たったとたん豪遊するのは、ベンチャーによくみられることだ。人間の本性は成功してからあとにあらわれる。この人は品性のなさと、底の浅さを露呈してしまったのだ。

今となれば「ZOZOがプロ野球に参入しなくてよかった」と思うかもしれないが、私はそうは思わない。昨年の段階で、プロ参入に踏み切っていたら、前澤さんは、頭が岩石みたいに固い12球団の経営者と全面的に対決したはずだ。「剛力」よりもはるかに強力な相手とくんずほぐれつのけんかをしたはずだ。そうなれば、前澤さんのベンチャー魂に火が付いたはずだ。またホリエモンのときのように、三木谷さんという新たなベンチャーの参入のきっかけになった可能性もあるだろう。

今、日本のビジネス界で一番ダメなのは大企業の経営者である。彼らは船のかじ取りができず、保身に走っている。世間の動きにも疎い。NPB球団の経営陣は、こういう人たちの子分だから、無能だし意気地がないのだ。

わかりもしない絵や、高級車を買い漁るより、プロ野球参入のほうが、お金の使いではあったと思うが。

ベンチャーは品が悪いかもしれないが、自分で自分の未来を拓く胆力は持っている。能力もある。ZOZOが生き残るようであれば、今からでもぜひ、プロ野球参入を考えてほしい。

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