「絶対に負けられない試合がある」というテレ朝のキャッチフレーズは「勝利至上主義」が大好きな日本人を象徴しているように思う。しかし昨日の侍ジャパンの試合こそ「絶対に負けられない試合」だったのではないか。
開幕前のこの時期、侍ジャパンの「花相撲」に付き合ってくれる国は、メキシコか台湾しかない。

ドミニカやベネズエラ、プエルトリコなどは、主力選手がアメリカでスプリングトレーニングに参加している。キューバは国内リーグの真っ最中だ。
メキシコもMLBに人材を送り込んでいるが、MLBのAAAという扱いで、メキシカンリーグが行われている。30代半ばの選手中心のリーグだが、それでも選手を集めることができる。

アジアで日本とまともな試合をすることができるのは、台湾と韓国だが、韓国はKBOのオープン戦が始まっている。台湾もCPBLのオープン戦があるが、それよりも日本との交流戦を優先する文化がある。

そういうわけで、侍ジャパンのエキシビションマッチは、ほとんどが台湾かメキシコになるのだ。

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それにしても今回のメキシコ代表は、「メキシコおっさん代表」あるいは「メキシコ再就職希望選手チーム」とでもいうべきものだった。
平均年齢は30歳ちょうど。先発メンドーサ、二塁クルーズは元NPB、メネセスはオリックスの新外国人。1番のロバ―ソンは39歳。オリンピックのメキシコ代表には、ほとんど選ばれるはずがない選手ばかり。

打つだけ、投げるだけの選手がそろった典型的な「咬ませ犬」チームだった。

侍ジャパンにとっては「勝って気勢を上げる」ための試合。この試合こそ「負けられない試合」だったはずだ。

しかし、侍は打てなかった。そして終盤に手もなくひっくりかえされた .

ありていに言えば、稲葉ジャパンは、12球団に遠慮をして、1軍半クラスの選手を中心にチームを組んでいた。一度も規定打席に達したことのない選手、一軍と二軍の間にいる選手に「侍」のユニフォームを着せて上げ底をしたのだ。

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日本だけではないが、プロ野球の「国際大会」のステイタスの低さ、価値のなさを象徴している。

相変わらずメディアは「ものすごい大会」のように報じていたが、高い金を払って京セラドームにいくよりも、オープン戦に行くほうが、はるかにいい野球を見ることができたはずだ。

オリンピックまで、侍ジャパンはこういう「茶番」で、やりくりをするのだろう。稲葉篤紀監督も気の毒なことである。


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