東京ドームへ向かう新幹線の車中で書いている。アップするときには、ドームの中にいるはずだ。

イチローは、まだシアトル・マリナーズのアクティブロースターにも40人枠にも載っていない。
名前があるのは、デプスチャートの左翼手の3番目だけ。身分はNRI(Non Roster Invitees)つまり、キャンプ招待選手のままだ。

彼がアクティブロースターの最後の一人に名前を連ねるのは、20日になってからだろう。

スプリングトレーニングはついに2本の安打が出ただけだった。最後の2打席は、見逃し三振。自身なさげで、心持ち悲しげでもあった。

外線記者会見では、いつも通り、含みを持たせた、その実中身は何もないのではないかというコメントをした。
日刊スポーツ
米メディアから「いつ引退するのか分かるのか?」という去就を直撃する質問には「いつ分かるんですかね? それは僕にも分からないですね。こういう質問には慣れていないな、というのはまた思いました」

こういう聞きにくいことを聞く本物のジャーナリストは、日本にはいないのだ。彼は婉曲に「その質問はやめて」といったのだ。

多くの偉大な選手と同様、彼も「辞め時」を決めかねて、それゆえ苦しんでいるのだ。もう選手としては完全に終わっている。今引退しても生活に何の支障もないし、その実績も殿堂入り間違いなしと言われている。

しかし最後の決断ができないままに、ここまできている。50歳までやる、と言ってしまったことも縛りになっているのではないか。

何度も出しているがキャリアSTATS

ichiro


思えば2011年に3割200安打が途切れてから、イチローは長い長い下り坂を降りてきた。通算打率はどんどん下がり、ここ数年は現役でいながら「過去の人」になろうとしていた。

今日からの試合で、私が見届けたいのは「イチローという偉大な選手が、バットを擱く瞬間」だ。
球団はそのお膳立てをしてくれたのだ。ここで辞めなければ、いつ引退するのだ。
そして「辞める」という言葉は、イチロー自身が口に出さなければならない。

今こそイチローは、その決断をしてほしい。それを見届けることができれば、開幕シリーズ最終日の3月21日は、この上ない「佳き日」になるはずだ。


2018年鈴木博志、全登板成績

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