昨日のOAK-SEA開幕戦、イチローは9番右翼で出場したが、4回裏に守備で、一度守備位置につきながら、ベンチに呼び戻された。
イチローはくるっと外野の観客席に向き直り、両手を前に突き出して手を振ってから、またくるっと向き直って、ベンチのほうへ駆け出した。ナインはイチローと握手やハグをした。ベンチも総出でイチローを迎える。大声援の中、イチローはベンチへと消えていった。私は右翼外野席にいたが、途中から気が付いて、カメラにおさめた。
この間、アナウンスは全くなかった。観客席は「何が起こったのだろう」と訝しんだが、豊浦彰太郎さんによると、これま「メジャーの引退セレモニー」そのものなのだそうだ。開幕戦でこれをやることには異論があるだろうが。
イチロー本人も一言も述べず、球団も何も言わないが、イチローはメジャーのやり方で、観客に別れを告げたのだ。
こう考えると、今回のイチローの処遇、そして彼の言動はすべて腑に落ちるものとなる。
彼は、昨年、アクティブロースターを外れた時点で、引退を決意したのだろう。翌春に7年ぶりの日本での開幕戦が決まったのは、イチローの処遇と同様関係があったのかはわからないが、イチローには日本開幕戦で、日本のファンに別れを告げるプランが提示された。そしてそれをイチローも飲んだのだろう。
日本ならば、事前に球団、イチローが会見して「開幕戦限りでの引退」を表明するだろう。最近のNPBのちんけな選手の引退は、ほとんどその形をとってきた。しかし、それは最も重要な「公式戦」を、安っぽいセレモニーにしてしまう。冒涜と言ってもよい。それは避けたい。だから、イチローは「戦力」であるとの建前で、日本開幕戦に帯同し、プレシーズンマッチに出場したのだ。
おそらく、イチローには「スプリングトレーニングで好成績を上げれば、2019年も現役続行」という思惑もあったと思うが、この悲惨な成績で、自身も覚悟が定まったのではないか。
この日の2打席目は、おそらくイチローの最後の打席だ。鋭い当たりのファウルを飛ばしたのが、せめてもの意地ではあったか。
今日の試合、サービス監督は「出場する」とは明言した。しかしスタメンではないようだ。代走か、守備固めか、ともかく、昨日でイチローは自らの去就を無言のうちにファンに明らかにした。
今日が「イチロー最後の日」になることは間違いないようだ。今日起こる出来事を記憶に焼き付けたい。
2018年鈴木博志、全登板成績
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今のイチローを公式戦で起用するなど半ば敗退行為だと以前書きましたが
全く戦力として考えていない選手を本当にスタメンで起用するとは。
長谷川の素晴らしい解説も攻守にわたるメジャーのダイナミックなプレーも楽しめる好試合が
イチローの出番前後になると途端に茶番に堕していたのがなんとも。
メジャー式感動の交代セレモニーがやりたかったなら、
巨人との試合でいくらでも機会はあったでしょうに。
公式戦、それも開幕戦で顔見世引退興行など正気の沙汰ではありません。
「バッターボックスに入る前にヘタクソな選手の打撃は見たくない」と
交流戦で投手が自身の打席の前に打つことを嫌がっていたイチローの
プライドはどこを向いていたのか。
今日も出場するか否か、これでイチローが引退か否かに関わらず
昨日の試合はMLB史に残る汚点になったと思います。
baseballstats
がしました