イチローは、昨日、シアトルへ戻っていった。「日本に戻る」という言葉もあったが、おそらくは松井秀喜と同様、生活の拠点はアメリカに置くのだろう。一昨日のバカ騒ぎを見れば、日本で暮らせば彼のストレスは倍増するだろう。
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何度も何度も出しているが、イチローのキャリアSTATSを見ると、プロ入り後の彼の野球人生は3期にわかれることがわかる。

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イチローは、NPBの9シーズンで、他には誰も成し遂げていないすさまじい数字を樹立した。通算打率.353は、破天荒な数字だ。またNPBでのイチローはOPSは、.943。安打製造機ではなく、リーグ屈指の強打者でもあった。

MLBに移籍した年には28歳になっていたが、ここから37歳になる10年間の成績も、驚異的だった。ここまでのMLBでの通算打率.331は、ウェード・ボッグスの.3279、ロッド・カルーの.3278を抜いている。
OPSは、.806と落ちたがそれでも主力打者の数字だ。
10年すべてで200安打、3割をマーク。1年を除き30盗塁以上。

これは2010年のイチロー

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しかし2011年に3割、200安打が途切れてから今年までの9年間では、通算打率は.268、OPSは.652、これはレギュラーの数字としては厳しい。
38歳から45歳までのこの9年間でMLBの通算打率は2分落ちた。リーグで警戒される打者ではなくなったのは、IBB=敬遠数をみればはっきりわかる。

もちろん、2010年限りでやめることは考えられなかったが、ここまで引っ張らなければ、イチローの通算成績はもう少しよくなったはずだ。引退に至るまでは、かくも長き下り坂の助走が必要だったのだ。

4~5年前から私は引退すべきだといってきた。特に2016年8月にMLB通算3000本安打を打ってからは、やり残したことはもうないと思っていた。

しかしイチローは盛りを過ぎて、引退するまでに9年の歳月が必要だったのだ。失望と困惑の歳月だったのではないかと思うが、年齢に抗って苦闘する姿も、イチローだったということだ。

その歳月に思いをいたすのも、私たちファンの責務だろう。

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2018年鈴木博志、全登板成績

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