佐々木朗希が難儀なのは「十代の身空で100マイルの球を投げてしまったこと」だ。



今「球数制限」について論点を整理しているのだが、投手の故障のリスクは、

 1.多くの球数を投げる
 2.登板間隔を開けずに投げる
 3.疲弊した状態で投げる
 4.全力投球する
 5.よくないフォームで投げる
 6.球速が速すぎる
 7.変化球を多投する
 8.手だけ、上半身だけで投げる


ことによって高まる。「球数制限」はこのうち「1」についてのみの対策だ。「球数制限」の必要性を訴える関係者は「球数制限」をすれば、投手の健康問題はすべて解決するとは言っていない。これを皮切りに、登板間隔など他の問題も是正し、さらには「指導者の問題」「試合形式の問題」などにもメスを入れるべきだと考えている。

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佐々木朗希の場合、球が速いというだけで4、6のリスクが高まる。若くて経験値も低い年代で、あまりにも速い球を投げることは、故障と隣り合わせだということだ。

2009年のMLB全体ドラフト1位で指名され、ナショナルズ入りしたスティーブン・ストラスバーグはいきなり100マイル超の速球を投げてセンセーショナルな注目を浴びたが、翌年にトミー・ジョン手術を受けた。
高校時代に160㎞/hを投げた大谷翔平も2018年にトミー・ジョン手術を受けることになった。

100マイルの速球を投げれば、1球で故障してもおかしくないとされるのだ。

前のブログでも言ったが、17歳で163㎞/hを出した佐々木は、今の時点でいつ故障してもおかしくないのだ。

賢明な指導者なら、佐々木を夏の甲子園の予選でフル回転させるようなことはしないだろう。二番手投手、三番手投手を育成し、使うとしてもワンポイント的にしか使わないだろう。
「それで甲子園に行けるのか」と言われれば、確かに心もとないが、そうでもして守ってほしい逸材である。

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2016・18年松坂大輔、全登板成績

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