佐々木朗希の話題が依然として続いている。大船渡高校は金足農より弱いようで、今夏の甲子園は難しそうだということだ。ちょっとほっとする。

日本高野連の奥島孝康前会長は、夏の甲子園の閉会式で「とりわけ残念なのは、花巻東の大谷投手をこの甲子園で見られなかったことでした」とやって顰蹙を買ったが、能天気ぶりではいい勝負の八田正現会長も「佐々木朗希君を見たかった」と駄々っ子みたいなことを言いそうである。

日刊ゲンダイは、私なんかとそれほど取材力が変わらないのではないかと思う時があるが、奇怪な記事を書いている。

163kmにプロ驚嘆でも 佐々木朗希に「大船渡高」ゆえの不安

佐々木の甲子園出場は厳しそうだと書いたうえで、セ・リーグスカウトの声として
「伝統校はともかく、大船渡はOBや周囲や学校から甲子園に出ることを義務付けられてはいない。選手はつまり、甲子園常連の私学や伝統ある公立校ほど追い込んだ練習をしているわけではないのです。だからプロの練習に耐えられる体ではないかもしれないし、スタミナも不足している可能性がある」

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高校生だからプロの練習に耐えられなくても、スタミナ不足でも全く構わないと思うのだが。
高校でプロ並みの体力をつけようと思うから、みんな故障するのだと思うが。なおもこのスカウト氏は

「まして佐々木はプロ球団が絶賛する選手。甲子園に出て勝つことを求められている私学の請負監督なら多少の無理遣いもするでしょうけど、大船渡の国保監督は筑波大出身の教諭です。佐々木を酷使して壊すことだけは避けたいはずですから」


と心配そうに話すのだ。筑波大野球部は、伝統的に合理的で先進的な指導をしている。剛速球投手は「全力投球するだけで壊れる」ことさえある。だから「酷使して壊すことを避ける」のは指導者として当然だと思うが、このスカウトは「無理をさせない」ことが不満のようなのだ。

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今時、こんなことを言うスカウトがいるのだろうか?プロのスカウトなら、高校野球でできるだけ消耗せず、無傷でドラフト市場に出てほしいと思うはずだが。
もう、佐々木の実力は証明されたのだから、アピールする必要は全くないはずだが。

さらに続けてパのスカウトの話として
「野球学校はエース争いひとつとっても熾烈。実力以外の部分、例えば足の引っ張り合いなども含めて、そこには過酷な競争が存在するし、それを勝ち抜いて初めてエースナンバーを背負える。プロはそんなエリートばかりの集団、まさに生き馬の目を抜く世界です。(中略)そんなプロの世界で、甲子園に出たことすらないフツーの公立校出身の選手が果たして過酷な競争を勝ち抜けるのか、精神的にめげてしまうのではないかという不安はあります」

プロとして大成するには、甲子園に出て精神的にもまれないといけないのだそうだ。プロに入ってからでも、精神を鍛える機会などいくらもあるように思うが。で、こんな風にも書いている。


近年、公立の伝統校や私学の甲子園常連校以外の高卒選手が、ほとんどプロで大成していないのは、それなりの理由がありそうなのだ。


それは、有名高校に早熟の好素材が集まるからであって、高校での経験値の問題ではないと思うが。蒲郡高の千賀滉大のように、例外もいるし、無名校から大学を経て大成する選手はたくさんいる。無名校で甲子園を経験しない選手の中から、大器晩成の名選手がたくさん出ていることは、目に入らないのだろうか。
また、早熟の天才肌の選手で、高校野球につぶされた選手のことも、目に入らないのか。

高校野球の経験、とりわけ甲子園での過酷な経験は、将来ある野球選手にとって、マイナスの面が極めて多い。今、それが大きく取りざたされている中で、こういう記事をもっともらしく書くのは、あまりにも無責任だ。

日刊ゲンダイに目くじら立てても仕方がないといわれかねないが。


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