イチローに「さようなら」をしてからかれこれ1か月が経つ。ずいぶんと昔のことのように思うが、ついこの間の話なのだ。

耳の底には「イチロー」というファンの叫び声が残っているが、同時にプレーのたびに起こる「ザワワー」という拍手も強く耳に残っている。

日本ハムや巨人とのエキシビションゲームでは、応援団がいるにはいたが、MLB側の攻撃の時は、みんなおとなしく観戦していた。

そして一つ一つのプレーに拍手を送っていたのだ。MLB選手の好プレーにも大きな拍手が起きていた。
東京ドームは閉鎖されているから、拍手の音が大きく響き、潮騒のようだった。
敵味方なく好プレーには惜しみない拍手を送る、いいお客さんが来ていたのだ。応援団の声が圧倒的に大きくて、普段はそういうことに気が付かないが。

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応援団は大騒ぎをして楽しいのかもしれないが、野球観戦の大事なものを失っているのは間違いないだろう。
つまり、一つ一つのプレーを注視し、それを評価し、ほめたたえるということだ。
「応援しながらでも、ちゃんと試合を見ている」と反論されたことがあるが、お遊戯をしながら、大声をあげながら試合を見る。それだけ「ながら」を重ねて、細かいところまで見ることができるのか、はなはだ怪しい。

甲子園の高校野球でも応援の合間に拍手が巻き起こることがある。この拍手は、芝居の「じわ」に近いかもしれない。「じわ」とは、役者が名演技をしたときに、客席から自然にあがる「ため息」が、劇場に響く音になることだ。
野球場に響く拍手は、野球ファンの「じわ」なのかもしれない。

これから野球を見るにはいい季節になるが、プロ野球は応援だけでなく、試合の合間ものべつ幕なしに大音響が流れている。心地よい拍手を聞くことは望み薄だ。

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