「有識者会議」が始まった。日本高野連はこの会議を4回やって結論を出そうとしている。たった4回である。もう根回しが始まっているとの話もある。


意外に「球数制限」に対して理解を示す有識者が多かったが、そんな中で“期待通り”の発言をしたのは、佐賀北の百崎敏克元監督だ。

報知
「球数制限には反対です」と明言。(2007年優勝)当時はダブルエースで頂点をつかんだが、「なぜ2人の投手だったかというと、1人では勝てないから」と「がばい旋風」の内幕を明かし、「1人で勝てたら1人でやる。足りないから2人でやった。複数投手制を推奨しているわけじゃない」と語った。
 さらに「新潟の試みはよかったけど、全国につながるトーナメントではやってほしくないと思った。日本高野連には毅然としてほしい。選手の将来というが、うちの今年の卒業生で、大学で続けるのは1人。多くは高校で終わる。夏の大会が最大目標。勝利至上主義といわれるが、そんなに球数は投げさせていない。私たちにとっては将来じゃなく、今なんです」と訴えた。

今の高校野球強豪校の指導者の考えだろう。

この視点の問題は「どうせ甲子園が終わったら、もう野球なんかしないのだから、怪我をしてもかまわない」という点だ。

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あらゆるスポーツ、とりわけ球技は「生涯スポーツ」である。競技人口の減少を食い止めるためにも、競技者に長くスポーツを楽しんでほしい。そのための施策を考えていかなければならない。
本格的な競技が高校で終わるとしても、以後も楽しみで野球をしたり、指導をするような野球人を育てていかなければならない。「多くは高校で終わる」という認識は、根本から間違っている。

またスポーツは選ばれた人が、高いレベルでやるものだけではない。2011年に文部科学省が制定したスポーツ基本法には、『これ(スポーツ)を通じて幸福で豊かな生活を営むことが人々の権利である』と書かれている。
人々の権利としての「スポーツ」は、安全で安心なものでなければならない。そのためにも競技中の故障、健康被害が防がなければならない。

百崎敏克元監督は国語教師だそうだが、
「私たちにとっては将来じゃなく、今なんです」は、教育者として明らかにおかしい。高校生がそういったら、それをたしなめるのが教育者、指導者の役割のはずだが。

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