新潟県高野連が「球数制限」を導入するという英断を下すことができたのは、それが新潟県野球界の「総意」だったからだ。

小学校から高校、大学、社会人、独立リーグから早起き野球、還暦野球まで、団体の関係者が一堂に会して協議会を作り、議論をして「高校野球が球数制限をする」ことを決めた。
高校野球が「球数制限」をすれば、中学、小学校の野球にも良い影響がある。大学、社会人に行く選手の健康被害も軽減できる。そういう関係性を、新潟県の野球界はそれぞれがよく理解して決議をしたのだ。

「こんな県はよそにはないでしょう」新潟県高野連会長で、協議会の設立に動いた富樫さんはそういった。

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野球界は、おのおのが自分たちの縄張りを主張し、いっかな同じテーブルにつこうとはしない。同じ目的を持っていても、それを共有せず「うちはうち、よそはよそ」でやってきた。

今「野球離れ」が顕在化し、野球各団体は小学校低学年、未就学児童への普及活動に乗り出しているが、高野連、学生野球協会、各大学、NPB、そしてプロ野球各球団が何ら連携せず、ばらばらに活動している。
私はそれらをつぶさに取材している。一つ一つの取り組みはまじめなものであり、効果的だとは思うが、団体によって活動の中身は少しずつ違う。同じ目的で活動しているのだから、情報、ノウハウを共有すればいいと思うが、そういう動きはほとんどない。そして活動のコストもそれぞれが負担している。

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「うちはうち、よそはよそ」、そういう根性が染みついている。
今、プロアマ独立リーグが集まって「日本野球協議会」が作られているが、関係者によれば「だめだこりゃ」という状態だそうである。

サッカーは普及活動も、育成も、強化も、みんな一枚岩でやる。端的に言えば、ワールドカップの収益が、幼稚園児にボールを蹴る楽しさを体験させる取り組みに使われている。
キッズ指導もライセンスがあるから、誰が教えても同じクオリティが担保される。
親も安心して子供を預けることができる。そして、その指導方針は、小学校、中学校から大学、社会人、プロまで貫かれるのだ。

サッカー界では「球数制限論争」のようなものは起こらない。
こんなプリミティブな問題で、同じ業界の人間の理解、認識が異なることはあり得ないのだ。選手の健康被害をほったらかしにするような、無責任なことは起こらないのだ。

ボス猿たちは、いい加減にサル山から降りて手を携えるべきだろう。そうしなければ、山にこもり続ければ、サル山はみんな揃って衰亡していくだろう。

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10号本塁打一番乗り/セ・リーグ編

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