2004年の球界再編騒動を気に「観客動員」の考え方は大きく変わった。

一つには「球界再編」で、選手会側から球団経営の実態が不透明であるという批判が出たことがある。その中で観客動員数が実数とかけ離れているという指摘があり、経営者側は2005年から、観客動員数を実数で公表することとなった。
これで「定員」をオーバーする観客動員はなくなった。

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しかし「実数」の解釈は、球団によって異なる。大別すると

 1)有料入場者
 2)有料入場者+無料入場者(招待者)
 3)有料入場者+年間契約者
 4)有料入場者+年間契約者+無料入場者(招待者)


になるが、NPBの場合、1)はほとんどないと思われる。2)の招待者は、かつてはチケットのバラマキだったが、今はスポンサー関連のものが多い。スポンサーフィーの対価だから結果的には有料入場者と変わりがない。年間契約者は年間パスを購入した顧客。席は試合前に売れているから、来なくても入場者に加える。興行的には問題ない。今の年間パスはチケットの形をとっているものが多いので、年間契約者の中にはチケットを転売する客もいるようだ。

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NPBの場合、多くは4)をカウントしているようだ。
日本ハムの本拠地、札幌ドームは固定客席数は40,476席だが、満員になると41,138席と発表される。立見席の分が含まれているのだ。
東京ドームも客席数は46,000人前後だが、満員の時は46,800人になることがある。これも立見席だ。

JリーグとNPBの「実数発表」は、上記のように異なっている。しかし、経営指標としてはどちらも有効だ。NPBにとって無料入場者も含めて、顧客だからだ。
観客動員数や動員率が、球団の経営状態を反映しているのは間違いない。

NPBは観客動員を今もごまかしているという指摘は、当たらないと思う。昔のように「少なすぎるとみっともない」という理由で水増ししているのではなく、一定の法則性をもって観客数を発表している。
今のNPBにとって、観客動員数を非常識なレベルまで水増しすることのメリットはそれほど大きくないからだ。
ただ、今のプロ野球の試合は、冠スポンサーをつける場合がかなり多い。スポンサーに対するアピールのために「最も大きな数字」を発表している可能性はあるだろう。

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