日本には「ガッツポーズ」くらいいいじゃん!という人がたくさんいるのだ。そういう人は「声の大きいもの」「なんかすごそうなもの」に無批判でなびく性向があるということになる。注意した方がいいだろう。

「ガッツポーズ」は、勝敗が付いた後に勝者があらわす「喜びのポーズ」だ。
これを否定するのは、勝者から敗者への「リスペクト」がないとみなされるからだ。
スポーツは「競技」「争い」ではあるが、争う相手は「敵」ではない。同じ競技を楽しむ「仲間」だ。
真剣に勝敗を争うからこそ、スポーツは面白いが、どんなに競り合っても決着がつけば、コンペティターは「仲間」に戻る。
その原則からすれば「ガッツポーズ」は、勝負がついてから「仲間」を貶めるいらざる行為だということになる。だから本塁打を打った後の「ガッツポーズ」は、否定されるべきものだということだ。

日本の野球、特にアマチュア野球は対戦相手を「敵」だとみなしてきた。だから勝てば、相手を侮辱する権利があると思ってきた。

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でもサッカーはゴールを決めるとあんなに大喜びするじゃないか、との反論がある。
野球とサッカーは全く違う競技であり、別々の文化を持っているから、サッカーでは派手なパフォーマンスも許されるのだ。「サッカーがやっているから野球もいい」は幼稚な理屈だろう。
理屈で言うなら野球はホームランが出ればボールデッドになって試合は中断するが、サッカーはゴールが決まってもゲームセットまで試合は続くから、ということになろうか。
サッカーは、ゲームセットになれば、勝者は敗者を讃える。ともに「仲間」に戻って、健闘を称えあう。ゴールの過度な喜びなど、ゲーム中の過度なパフォーマンスは、試合終了後の交流で「ちゃら」になるという解釈だろう。
正直に言えば、野球プロパーの私は、サッカーのゴールでの大喜びに違和感をもつが、スポーツマンシップについて、はるかに理解が深いサッカー界の慣習だから容認しても良いと思っている。

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「その理屈で言うと、高校野球だって、メジャーとは違う文化なんだからいいじゃないか」といわれるかもしれないが、高校野球はプロ野球やMLBとは「地続き」だ。高校を卒業してすぐにメジャーリーガーと対戦する可能性だって皆無ではない。同じ「文化」を共有すべきだ。
そして日本の高校野球は、スポーツマンシップも知らず、選手を酷使し、勝利至上主義に走っているという点で、MLBや世界の野球と比較しても、著しく劣っている。だから改めるべきだ。
日本のプロ野球のガッツポーズも、好ましくないが、十代の子供のスポーツであることを考えれば、高校野球の「ガッツポーズ」に象徴される「勝利至上主義」はすぐにでも廃止すべきだと思う。



東京球場・シーズン最多本塁打打者/1962~1972

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