最近、阪急電車に乗っていないことに気が付いた。昔は芦屋や三宮に行くのに乗っていたが、近鉄と阪神がつながってからは、阪神に乗ることが圧倒的に多くなった。だから阪急電車におかしな中吊り広告が載っているのは知らなかった。
「毎月50万円もらって毎日生き甲斐(がい)のない生活を送るか、30万円だけど仕事に行くのが楽しみで仕方がないという生活と、どっちがいいか。」
金額が問題になっているが、私はそれだけではないと思う。ほとんどの場合、50万円もらっている人の方が、生きがいのある仕事をしている。今の世の中では一般的に低賃金の労働は、高賃金よりも「質」が悪い。30万円は非正規では夢のまた夢ではあるが。

「私たちの目的は、お金を集めることじゃない。地球上で、いちばんたくさんのありがとうを集めることだ。 外食チェーン経営者40代」
これは昔のワタミのたわごとだろう。

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この2つが炎上しているようだが、他のコピーもなかなかだ
「60年、70年前に富士山に降った雪が濾過されて、今、自宅で飲めるんです。これはロマンですよ。僕らは水ではなく、ロマンを売っているんです」
詐欺商法を想起する。ちゃんと水を売れよ、と言いたくなる。

私は企業PRの仕事を長年やってきたので、こういう言葉がどこから出てくるかはだいたいわかる。あまり教養のない経営者が「いいことを言おう」として出てくる言葉だ。よく見ればほとんどが自己満足だ。私などは「なるほどね」と相槌を打つが、こういう歯の浮くような言葉は見出しにはしない。

この広告はコンサル会社が提案したようだが、この会社は経営者をよいしょする幇間のような商売をしていたのだろう。

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今の一般社会は、基本的に過敏になっている。一昔前の感覚で、安っぽくてずれた「自己満足」を発信すれば、すぐに炎上する。

高校野球の指導者もこういう言葉をよく口にするのだ。
「練習でかいた汗は裏切らない」
「挨拶がしっかりできる選手は試合でもうまくいく」
「肉体の限界を精神力で超えたときにいい選手になる」

甲子園優勝監督の講演ほど、つまらないものもないが、そこではこの手の珠玉の言葉がちりばめられる。

こういうのも阪急電車の中吊りにぶらさげてはどうだろうか?


省エネがなんだ!!投げに投げてイニング稼ぎ3/1960~1986・150球以上投球者・球数が多い順

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