ujihara


今度出す本のために、彼に話を聞いたが、今の高校野球に対して歯に衣着せぬ激論を語ってくれた。
彼と話していると、木更津総合の千葉の名前は何度も出てくる。よほど悔しかったのだと思う。

私など「野球離れ」について危機感を書いているライターは、高校野球の現場で日常的に取材しているわけではない。必要に応じて取材をしているだけだ。氏原さんは球場に詰めて試合を取材し、学校に行き、選手や指導者に話を聞いている。高校野球関係者の信頼は極めて高い。
新聞などそういう取材活動をしている人は、たくさんいるが、「高校野球の危機」について口にするのは、ほとんど彼だけだ。新聞など他のメディアは、取材が困難になることや、顔見知りの取材対象に気を使って、あるいは新聞と日本高野連の関係を忖度して「不都合な真実」には言及しないのだ。
まるで中華人民共和国みたいな状態になっている。
囲みの記者会見では、そういう危ない質問を氏原さんなどフリーランスのライターがして、その返事を新聞記者などがせこせこメモるのだ。
「球数制限」についても、「二階から目薬」のような、実効性がない骨抜き案に落ち着きそうだ。
それを何とかすべく、ここから挽回すべく、我々はペンの力で反論を試みている。

彼は、スポーツの枠を超えて、メディアの良心ともいうべき存在だ。
最も現場に近く、最も勇気あるライターの良記事である。

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