神奈川新聞は、ヘイトスピーチの問題や、喫煙を巡る役所の不正など、なかなか鋭いところを突いた記事を書いている。一般論で言えば、今、全国紙よりも地方紙のほうが遥かに健全だ。
7月に入って「体罰の呪縛」という高校野球の暴力を取り上げた集中連載を始めている。これはちょっとすごい。

部活指導者の「殺すぞ」 恐怖心と痛み、暴力はなぜ
「強くなるためには厳しさが必要」 保護者の葛藤

指導者の中には
「あの監督、相変わらず『コレ』、やっているみたいだね」。と拳で殴るポーズをとる人がいるという。
高校野球の現場では、未だに体罰が横行している。指導者が生徒に命じて下級生を殴らせることも増えているという。陰湿ないじめも依然としてある。学校や指導者はそれを隠蔽する。


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「体罰」「暴力」を肯定する理屈は
「理不尽な暴力やパワハラに耐えることで、社会に出てからの様々な困難に耐えうる精神力、忍耐力がつく」というものだが、
この記事を読んでいると、すでにそんな大義名分さえも吹っ飛んで「野球部」全体が牢獄のようになり、オートマチックな「暴力装置」と化しているように思える。
今どき、本当の話かと思うが、いまだに野球部員の自殺も跡を絶たないのだ。
神奈川県の高野連は、極めて旧弊で保守的とは常々関係者から聞いているが、この記事を見る限り、むしろ環境は悪化しているようだ。

この状況が一向に改まらないのは、告発を事前にもみ消す「父母会」という組織の存在がある。

 「部内に問題が起こったら、相談、報告の届け出は父母会長にしてください。絶対に学校、高野連(高校野球連盟)には伝えないでください」

暴力事件や犯罪行為は、「父母会」で有耶無耶にされ、明るみに出ることはない。指導者は「父母会」によって守られているから、安心して生徒に暴力やパワハラを行うのだ。

さらに「高野連」の直訴も、被害者にそれをためらわせる「仕組み」が存在する。
暴力事件やパワハラ、犯罪などが発覚した場合、加害者である指導者や生徒だけが、ペナルティを課されるのではなく、野球部全体が出場停止や対外試合禁止などの処分を課せられる。いわゆる「連帯責任」だ。
このために、生徒や親は泣き寝入りをせざるを得ない。

こうした状況は神奈川だけでなく、多くの地方の高野連でも同じだ。こんな人々、組織を相手に「球数制限」の議論など、とてもできないと暗澹たる思いに駆られる。

選手の人権も守られず、暴力、パワハラ、不正も隠蔽される今の高校野球に、何を期待すればいいのかと思う。

この連載は、朝日新聞、毎日新聞では絶対にかけないところまで踏み込んでいる。今後も注目したい。


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