岡山学芸館の丹羽淳平が1回戦で、打球を顔面に受けたアクシデントは、関係者に大きなショックを与えている。

金属バットの打球スピードが上がって、選手を傷つけるようになってきたのだ。
このことは、他のメディアに書くつもりだが、昨日の問題も悩ましい。

10日に「左顔面骨骨折」の重傷を負った丹羽が、15日の2回戦で先発したのだ。医師のOKが出たらしい。

IMG_9815


この医師は甲子園ドクターなのだろうか。
医師としてこの判断は正しいのか?顔面骨折とは、顔の骨に亀裂が入っていることだと思う。野球はできるかもしれないが、この日の試合で再び顔面に打球を受けたり、死球を食らえば、陥没骨折など深刻な障害につながる可能性があると思うが。

私はある甲子園ドクターから「ドラフトにかかりそうな投手の場合、肩ひじの炎症がひどくてもゴーサインを出すことはある」と聞いたことがある。ちょっと信じられなかった。まさにメディカルチェックは骨抜きにされているのだ。

医師の使命は「患者の生命、安全を守る」ことではないのか?甲子園の熱に浮かされてこんな判断をするのは、医師の本分に悖るのではないか。

IMG_0057


メディアも、この判断をほめたたえているものが多い。

報知:初戦で顔面骨折の岡山学芸館・丹羽が気合の先発…医師の最終確認でゴーサイン

デイリー:岡山学芸館、顔面骨折の丹羽が先発モットー“笑顔”貫き「感謝の気持ちで投げた」


「甲子園」は戦争ではない。高校球児は兵士ではない。頭がおかしいとしか思えない。
スポーツで一番大なのは「勝利」ではなく「選手の健康、安全」だ。万全なコンディションの選手だけが、試合に出場できるのではないのか。
ケガをしていても試合に出るのは「人間の強さ」ではなく「弱さ」「愚かさ」の表れではないのか。

使命感や意志が欠如したジャーナリストは、「甲子園熱」に簡単に感染するようだ。スポーツを語る資格はないと思うが。

彼が出場したことで、心無い指導者は怪我や故障で休もうとする選手に、「それくらいで休む気か、丹羽を見てみろ」というだろう。こうして甲子園はさらに劣化していくのだ。


私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひコメントもお寄せください!

好評発売中!