よく、昭和頭の野球人が「アメリカではあんなに健康、健康というが、毎年、たくさんの選手が、肩や肘、膝などの手術をしているじゃないか。手術の数は日本より多いんじゃないか」という。無知としか言いようがない。

今回の大谷の膝痛は先天性のもので、医師団は今季はじめから手術の可能性を検討していたという。大谷には今週になって伝え、大谷はほんの数日で手術を受ける旨、返事をしたという。

アメリカでは、選手の体に異状が見つかれば、そしてそれが完治可能で、治療によってそれ以前と同等か、あるいはそれ以上のパフォーマンスが期待できると判断すれば、即座に手術に踏み切る。

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故障を残したままプレーをすれば、患部を悪化させる可能性もあるし、患部をかばうあまりフォームがおかしくなったり、他の部位を故障したりすることもある。
故障を放置して良いことなど一つもないから、シーズン中であっても手術に踏み切るのだ。

しかし日本の野球人は「手術をすれば終わり」と考えてきた。野球選手にとって体にメスを入れるのはタブーだったのだ。
だから村田兆治のトミー・ジョン手術も異端視された。この手術はロッテ監督の稲尾和久が奨めたという。「俺が現役の頃、こんな手術があれば俺はもっと現役をつづげることができた」と言ったという。これによって、村田は奇跡の復活を遂げた。

しかし、それから何十年たっても日本の野球人は「手術をすれば終わり」と考えている。だから、アメリカで多くの手術が行われているのを「選手の健康を大事にしたって、結局手術するんだから同じだ」と思っているのだ。

しかしアメリカでは選手の健康を重視するから早期治療の一環として手術をするのだ。

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日本では異状が見つかっても本人がなかなか言い出さないし、チームがそれを知ってもなかなか手術に踏み切らない。「メスを入れれば終わり」という古い観念があるうえに、「将来はどうか知らないが、明日の試合に出られないじゃないか」という日本独特の近視眼的な思考で、手術をためらう。

その結果、ほとんど手おくれの状態で手術をするのだ。日本人選手のトミー・ジョン手術の成功率が低いといわれるのは、医師の技術の問題ではなく、野球の現場の理解不測の問題があると思われる。

もちろん、アメリカでは十代の子供がトミー・ジョン手術するなど「安易な手術が多い」ことも問題になっている。

しかし日本球界は「医学への知識が浅い」上に、医学に対する不信感がいまだにあるために、今回の大谷翔平のような思い切った措置には踏み切れないのだ。


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