昨日は、CSを昼間にやっていてよかったと思う。夜、ラグビーとぶつけたら、さらにかすんでしまっただろう。

終盤の劣勢を持ちこたえて、80分を迎えた時の歓喜は本当に素晴らしかった。特に、前日来の台風被害で、日本中が打ちひしがれていただけに、この勝利は、日本を力づけた。

さらに素晴らしいと思うのは、試合後のインタビューで敗れたスコットランドが「日本の台風被災者」についてまず言及したことだ。そして日本の健闘をたたえた。日本の選手も「台風被害」について触れた。

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昼のCS後のインタビューでもソフトバンクの工藤監督は、台風被害に言及したが、これはインタビュワーが最初にそのことについて質問したからだ。また巨人の原監督もインタビューの半ばで台風のことについて聞かれて、はじめてそのことに触れてファンに感謝した。

端的に言えば、目の付け所が違うという感じだ。ラグビー人は「今、何を言うべきか」を常に考えている。そして試合が終われば「どうふるまうべきか」を考えている。彼らが意識しているのは、ファン、応援してくれる人々だけでなく、その国、そして世界で彼らを見つめている人々だ。
試合がなかったカナダが台風の被災地で救援活動を行ったことも含め、彼らは「勝敗」よりも「スポーツマンとしての在り方」を優先していることがはっきり分かった。

野球はまず「勝つこと」そして「勝ったことをファンとともに喜ぶこと」を優先している。相手チームの健闘をたたえることはしたが、それを優先させることは少ない。
これは日本だけなのか、それともアメリカもそうなのか、わからないが「スポーツマンとしての振る舞い」を意識しているとは思えなかった。

「勝利至上主義」が当たり前になっている日本の野球では「勝つこと」が「正しくふるまうこと」よりも優先されている。

横浜高校で暴力、パワハラ事件が起こった時に、小倉清一郎元部長は「甲子園に行けなかったからこんな問題が起こった、抑え込むことができなかった」と言ったが、こういう人物が「立派な野球指導者」と言われる野球界の意識の低さを恥じる。

日本でラグビーがここまで注目されたことで、ラグビーとは異なる価値観を有する野球などの日本スポーツの在り方に、疑問を感じる人が増えればよいと思う。


ルーキー最多安打レース・2019

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