星稜の奥川恭伸はヤクルト、大船渡の佐々木朗希はロッテが指名権を獲得した。

両チームのファンは湧いているだろうが、懸念材料も多い。

どちらのチームも投手陣が脆弱だ。超高校級の投手とあれば、一軍キャンプ、開幕一軍。開幕シリーズで先発デビューというストーリーを夢見る人も多いと思う。

しかし両投手ともにすごい球は投げるにしても、半年間をこす長丁場を投げきった経験はない。慎重に起用すべきなのは間違いないだろう。

高卒1年目から一軍の先発で活躍した投手は、最近では阪神の藤浪晋太郎が記憶に新しい。ずば抜けた長身で威力のある球を投げた。デビューから3年連続で二桁勝利を上げ、順調に育つかと思えたが、ここから急失速した。1年目は規定投球回数には達しなかったが137.2回を投げた。

その前となると、田中将大か。田中は1年目から186.1回を投げて11勝を挙げた。

それ以前では、高卒1年目からフル回転して、そのままリーグトップクラスの投手になったのは、1998年の松坂大輔まで遡るだろう。松坂は1年目から180回だ。

チームやファンは二人の投手に田中や松坂みたいな活躍を期待するだろうが、慎重を期したほうが良い。
特に佐々木のような長身で剛速球を投げる投手は、1年目からフル回転させるとあっという間に消耗する恐れがある。藤浪が近しい前例だ。対照的に同期の大谷翔平は二刀流だったこともあるが、1年目は61.2回しか投げていない。
教育、育成に定評のある日本ハムだけに、心身の成熟を待って段階を踏んで大谷を実戦投入したのだ。

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ロッテの吉井理人コーチは、佐々木の恩師の大船渡の國母監督とは、筑波大学の「同窓」に当たる。最新のコーチングを学んだ名伯楽だ。
その手腕が期待されるが、ロッテは今、涌井秀章が衰え、これに次ぐ石川歩がぱっとしない。種市篤暉、岩下大輝、二木康太といい若手が出てきているが、いきなりその中に佐々木を放り込むのではなく、 十分な調整が必要だろう。高まる期待の中、外様の吉井コーチがどれだけ防波堤になれるかだ。

ヤクルトは、投手上がりの高津臣吾監督となったが、投手陣はさらに薄い。下手をすれば開幕からローテの中心に入れられそうだ。タイプ的に奥川は田中将大に似ていると言われる。そこそこやるのかもしれないが、田中がデビューした当時の楽天には岩隈久志という大エースがいた。田中は岩隈の背中を見て歩むことができたが、今のヤクルトにはそういう存在は居ない。
そこそこ投げたからと言って、いきなり大黒柱にされるような事態は悪夢だろう。
奥川に大きな負担がかからないように、これも高津監督の配慮が必要になるだろう。

理想的には2人は、同期の大学組がドラフトで入団する頃に「エース」の称号を冠せられるくらいがいいのだと思う。



ルーキー最多安打レース・2019

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