昨日はこの季節の恒例で野球科学研究会大会に行った。もう4回目なので、顔見知りがいろいろできた。

今年は法政大学多摩キャンパス。その模様は、フルカウント、東洋経済オンライン、Yakyuikuに順次書くつもりだ。
今回も内容が濃かったが、ちょっとミーハー的な報告をしておく。

2日目の第1セッションは、国学院准教授の神事努さんが、ベースボールギークというWebメディアを作った経緯をその目的について紹介した。
トラックマンなどの先進機器を使って選手の動きや投球がデータ解析できるようになったのはいいが、それをどのようにアウトプットするか、特にファンや一般読者に正しく説明するには、どうすればいいか、を紹介していた。
その流れでベースボールギークに書いているデータアナリストの森本崚太氏が登壇し、MLBの投手がどんな風にデータを活用しているのか、を菊池雄星やトレバー・バウアーの例を出して紹介していたのだが、いきなり「実はバウアー投手が来ています」と紹介し、バウアーがサプライズで登壇した。
そうか、氏原英明さんが突然「行く」と言ってきて、馬見塚尚孝さんも顔を出していたのは、これがあったからか、と思った。
その前に、外国人の撮影クルーが何人も会場にいたのだが、これはMLBのスタッフですね。

もちろんバウアーは英語で話したが、自分の球種別の回転数をマッピングしたマトリックスを指さして、速球はシュート回転しているので、もう少し回転軸をこうしたい、とか具体的に話している。
現役投手でも、これくらいデータに精通しているのだ、と感心した。

jinji (1)


バウアーは昼休みには外で、ロッテの吉井理人コーチといろいろ話していた。吉井コーチは踏み出した足がぐらつかないためにはどうしたらいいか、とか聞いていた。
その周辺には、米子東高で今夏甲子園に出場した2年生の高校球児がいた。彼らも3つのテーマで研究発表をしたのだ。
米子東の紙屋監督は「甲子園が終わってからテーマを決めてデータを集めました。データ解析などは数学の先生に教えてもらいました」と言っていたが、県下一の進学校だけのことはある。
米子東とは泊っているホテルが近くて、朝も一緒になったが「生徒に切符を自分で買わせています」と紙屋先生は言っていた。ま、鳥取ではあまり電車に乗らないからなあ、と思った。

バウアーと吉井コーチのやりとり、生徒にはどこまでわかったか知らないが、彼らの目の前には一気にメジャーのフィールドがひろがったのではないか?

こういうまぶしい光景を見ると、「根性だ」とか「精神を鍛える」とか何とかの一つ覚えみたいに指導している指導者は、いっぺんに色あせるだろうなあ。

私は大阪府内の高校の野球部監督の先生と一緒に行動してたのだが「来年は絶対に連れてきます」と言っていた。

こういう会なのである。今年も行ってよかったと思った。


榎本喜八 安打あれこれ

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