全軟連の宗像豊巳専務理事や、連盟関係者とよく顔を合わせるが、日本の軟式野球は「危機的状況」にある。

小学校の軟式野球が、壊滅的な状態だ。
小学生カテゴリーの学童野球は、競技人口が激減している。もともと野球を始める子供が減っているうえに、指導者の高齢化が進んでいる。また、専門知識がないまま指導している大人も多いため、一度入団しても指導が嫌になって退団する人が多い。
また、ほとんどの公園で「野球禁止」になっているためキャッチボールなどもできない。

中学カテゴリーは中体連に加盟する学校単位の部活と、軟式野球連盟所属のクラブがある。中学の軟式野球の部活は、強豪チームは盛んだが、すそ野がどんどん減っている、クラブは減少傾向だ。ざっくり言えばここ10年で4割の減少だ。

高校の軟式野球もここ10年で25%減少。硬式野球よりも減り幅が大きい。

写真は高校軟式野球決勝戦。
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大学は硬式野球は増えているが、軟式野球は減っている。硬式は「広告塔」になるので大学は手厚く支援するが軟式はそうではないのだ。

社会人の軟式野球も減少。さらに草野球は実数はわからないが、軟式グローブの販売数から見ても減少しているのは明らかだ。

軟式ボールは、ちょうど100年前に神戸で発明された。軟式野球は日本生まれ、そしてほとんど日本だけで行われてきた。
狭い国土、小さなグラウンドしかない日本で、野球がここまで普及したのは軟式野球があったからだ。用具も簡便でいいから安価なものになる(最近はずいぶん大層になっているが)。

軟式野球の衰退は、日本野球の衰退そのものだ。ここを何とかしないと、野球の未来はない。

一昨日、神戸でイチローが軟式野球を楽しんだ。全軟連はこの動きを何とか利用できないか。マクドナルド杯に「イチロー賞」を創設するとか、イチローが参戦するリーグ戦を作るとか。

イチローも「中学まで軟式野球をするのは理にかなっている」と言った。半死半生の軟式野球の救世主になってくれれば、と思う。

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1985年福間納、全登板成績【やられたらやり返せ、リーグ優勝&日本一に貢献】

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