今日のニュースではソフトバンクが川島から背番号「4」を取り上げてバレンティンに与えそうだ、という話がでている。ファンはひどいといっているようだが、どうでもいい話だと思う。
球団が新たに選手を獲得するときにどんな背番号を与えるのかが話題となる。野手は一けた台をもらえば「レギュラー」への期待だと思うだろうし、投手は十番台をもらえば次の「エース」か、と思う。また、選手の年俸更改時に年俸アップ+「いい背番号」を提示する球団もある。

私がいつも残念に思うのは、球団はそれまでの「球団史」をちっとも大事にしていないし、過去の名投手の顕彰もろくにしていないのに「背番号」を便利使いすることだ。
選手の待遇アップの方策はいろいろあるが、「背番号」は、最も安易で安上がりである。選手名鑑とユニフォームの背番号を入れ替えるだけ、一銭も費用がかからない。それでいて選手によってはありがたがって、球団に感謝の念を述べるのだ。

私はここまで多くのメディアに「背番号の歴史」の記事を書いてきた。調べるたびに味わい深くて面白いと思うが、それを球団がよくわかっているとはとても思えない。

先日、甲斐拓也が野村克也以来、ホークスの捕手としては43年ぶりに背番号「19」をつけたことが話題になった。甲斐は「身の引き締まる思い」とか言っていたが、ソフトバンクの公式サイトには、野村克也の名前はどこにもない。
野村克也がつけた栄光の背番号「19」を来季から背負う
歴代背番号は、山内孝徳からはじまっている。福岡移転以降の推移を掲載しているのだが「野村以来の」というなら、公式サイトもアップデートすべきだろう。

野村克也は1977年、サッチーがらみの騒動で石もて追われるように南海を退団した。球団は、野村の偉大な功績をたたえて背番号「19」を永久欠番にすることなく、1981年には投手の山内孝徳に「19」を与えている。
南海は野村が退団後、11年間球団を保有したが、野村克也の功績について触れることはなかった。

野村は引退後「自分は西武OBだ」と言い張った。南海が身売り後に大阪球場の跡地にできた南海ホークスミュージアムにも頑なに名前を出すのを断った。偏屈なおやじだとは思うが、南海の仕打ちもブラック企業並みにひどい。

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福岡移転後、「19」は大越基、ニコルズ、永井智浩、森福允彦、ミランダと脈絡のない選手がつけた。背番号など誰も大事にしてこなかったのだ。
今になって「『19』」は野村克也以来の名誉ある背番号だ、ありがたく拝領せよ」というのはご都合主義もいいところだろう。

日本では永久欠番のある球団は少ない。球団が過去の選手を大事にしているとはとても思えない。なのに、背番号をあたかも「ご褒美」のように与えるのはおかしいだろう。
端的に言えば、背番号は企業の所有物ではなく、なくなった球団も含めた球団、そして応援したファンの共有物のはずだ。

MLBでは背番号に執着する選手はほとんどいないが、全球団が永久欠番を設けている。本拠地内には過去の名選手を顕彰するスペースも作って、OBたちを大事にしている。オーナー会社が変わっても、それをする。経営が変わってもファンは継続するのだから、当然の話だ。

NPB球団は、ファンに金を使わせるためなら何だってするが、そのファンに球団の歴史や活躍した選手のことを知らせるようなことはほとんどしない。そのこともあって今のファンは風船を飛ばしてお遊戯するだけで、野球の歴史についてほとんど知らない。本当に浅はかなことだと思う。

球団は背番号を与えることなどなんとも思っていないのだから、選手は必要以上にありがたがる必要はない。球団が意識を改めない限り、日本の背番号は今のところ「くだらない」としか言いようがない。

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1985年福間納、全登板成績【やられたらやり返せ、リーグ優勝&日本一に貢献】

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