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今の若者が「ゴルフ」をやっていない切実な事情実際に大学生の声をアンケートで聞いてみた

高い、金がかかる。なじみがないなどの理由が並んでいる。

バブル期には、それこそ猫も杓子もゴルフをしていた。会員権ビジネスが横行し、ちんけなサラリーマンであっても、上司に連れられてゴルフの打ちっぱなしに行って、次々とコースデビューしたものだ。私も打ちっぱなしにつれて行ってもらったことはあるが、クラブを2回も派手に飛ばしてしまって、練習を2回も中断させて赤っ恥をかいただけだった。

うちの父は高度経済成長期の企業戦士で、土日はゴルフでほとんど家にいなかった。この人にはグリーンに「別の世界」を持っているのだと思ったが、明けても暮れても職場の同僚や取引先と一緒にいるような人生は嫌だと思った。ラウンド中に四阿にはよく冷えたビールが用意してあると聞いて、幻滅した。当然、親父は握っていた。

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上方落語協会にいるときは、チャリティゴルフトーナメントの事務局の仕事をしたが、アマゴルファーたちの品の悪さに幻滅した。若い女子プロと回らせてくれとねじ込む中小企業の親父をたくさん見た。

またバブル期にはゴルフを含めたリゾート開発の仕事もよくやった。まるで「天地創造」かというスケールで山林が切り開かれた。雑草を枯らすために除草剤がまかれ、芝が植えられた。下流には「山田錦」を栽培する田んぼがあったがおかまいなしだった。
「ナーサリー(圃場)の芝生を素手で触るなよ、農薬まみれだから」とも言われた。
環境問題を懸念する住民のために説明会が開かれた。ゴルフ場関係者は、グリーンの周辺には若木が植えられ「ここは緑の緩衝帯になります」と説明していたが、住民が帰ると全部引き抜かれた。

高校のゴルフ部の取材もした。彼らはマナーも教わり、スポーツとしてのゴルフをレッスンプロから学んでいた。横で親父が「いいもんだね、このくらいからやればうまくなるよ。うちの子もやってほしかった」と煙草をくゆらせながら言った。

不幸なことに、私はゴルフの「スポーツ以外の部分」をうんざりするほど見てしまったのだ。

野球だってきれいごとの世界ではないが、特に日本のゴルフは「下品」な匂いをいっぱいまとわりつかせている。

「そうでない部分もあるんだよ、ゴルフはいいもんだよ」という人もいるが、いまさらゴルフを好きにならなくてもよいと思っている。

渋野日向子の活躍など、女子プロゴルフの中継を見るのは楽しいが、それ以上のものは必要ないというのが私のゴルフ観だ。


1960年小野正一、全登板成績【リーグ優勝&最多勝、リリーフで21勝】

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