今の日本野球は、Baseballというアメリカ発祥のゲームを、自国の流儀で解釈しなおしてできたものだと言ってよい。しかし、国際化とともに今後の野球選手は、Baseballの原点を理解する必要が大きくなっている。

Baseballと言うゲームはイギリスのラウンダーズや、北米で行われたタウンボールを源流としてアメリカの東部で成立した。もともとが、労働者階級の「遊び」だったが、興行として成立するようになり、プロ化していった。

注目すべきは、野球は成立した時点からアマチュアリズムの色は薄く、プロ、興行の色あいが強かったということだ。また、リーグ戦を考案したのもアメリカの野球だった。
原初の野球で強調されたのは「Manly(男らしさ)」ということだ。フェアな条件での力比べが大事だとされた。またリーグ戦によって野球とは「勝ったり負けたりするもの」という概念もできた。
野球の試合は、相手にも十分に力を出させたうえで、勝負を争うものになったのだ。

しかしスポーツの概念が十分に理解されていない日本では、野球は「野球道」とされ、武道のような捉え方をされた。武道は「礼儀正しさ」を求められるが、フェアであることはそれほど重視されない。むしろ相手の裏をかいて奇襲することは「小よく大を制す」であっぱれであると言われた。
武道の御前試合に倣って日本のアマチュア野球はトーナメントが基本となったが、これによって「必勝」が大前提となった。

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以来、1世紀以上、日本野球はルール上はMLBを追認しながらも、文化、あるいはマインドでは全く異なるやり方で、野球を発展させてきた。個よりも全体を重んじ、革新よりも保守に傾きがちな日本社会の傾向を色濃くまとわりつかせて独自の「日本野球」を形成してきた。

高度経済成長期からバブルくらいまでは、こうした「日本野球」が日本の繁栄の象徴に陽になってきたが、今や世界の野球から見れば「ガラパゴス」になろうとしている。

プロ野球の新人は、そんな「日本野球」のニューカマーなのだ。できれば、野球史について日米問わずたくさんの本を読んでほしい。

読むべき本は非常に多いが、例えばこういう本である。



 











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1960年小野正一、全登板成績【リーグ優勝&最多勝、リリーフで21勝】

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