這えば立て、立てば歩めではないが、我々は、日々佐々木朗希が「野球選手に近づいていく」のを目を細めて見つめている。

他のルーキーの中には、もっと早くにブルペンに入っている投手もいる。ライバルの奥川恭伸や堀田賢慎は、早くもケガで戦線離脱した。

それからすると5分、8分と言う投球練習、しかも捕手を立たせたまま、はまどろっこしく見えるはずだが、世間は「佐々木をはやく投げさせろ」とは言わない。
これは何といっても昨年の甲子園予選で、決勝戦で登板回避をしたことが大きかっただろう。
「佐々木はすごいけど壊れやすい」「特別な存在」と言う認識が、野球界やメディア、ファンにも定着しているのだ。
今にして思えば、大船渡、國保監督の英断が、佐々木を守っていると言えるのではないか。
その後、國保監督は大船渡近辺では叩かれたようだが、そうまでした値打ちはあったと思う。

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佐々木は、立ち投げでもすごい球を投げて、ぞくぞくするような期待感を抱かせてはいる。しかし吉井理人投手コーチは絶対に無理をさせない。

國保監督と吉井コーチは、筑波大学で川村卓先生に教えを請うた同窓生だ。考え方の基本は同じなのだ。

そういう意味でもよいチームに入ったと言えるだろう。藤波晋太郎は、阪神に入って2年目にはメッセンジャーとWエースになった挙句に潰れた。
しかし同期の大谷翔平は日本ハムに入り、吉井コーチのもとで慎重に育てられ、大きく成長した。

結局、素晴らしい素材を活かすも殺すも指導者次第なのだ。

おそらく二軍戦でデビューするだろうが、佐々木の雄姿をぜひ見に行きたいと思う。


2019年E.エスコバー、全登板成績

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