メジャー、スプリングトレーニングでの筒香の打撃練習の映像が流れ始めた。
近い場所から投じられる球を次々と打っていく。うまく適応しているようで、胸のすくような打球も出ている。

毎年、堺ビッグボーイズで、少年野球のコーチが投じるソフトボールをポンポンと遠くへ飛ばす筒香を見てきた。そういうときでも、筒香はボールをぐっと手元まで引き付けてフルスイングしていた。
およそ前でさばいたりすることはない。筒香が長距離打者だといわれるのは、引き付けて打つという自分のスタイルを徹底しているからだ。

先日は、筒香に同行してアメリカに渡った佐野誓耶さんがバッティングピッチャーを務めた。ついこの間まで堺ビッグボーイズの小学部のコーチだった。
私は2年ほど前に取材をしたことがあった。父は佐野元国、近鉄、巨人で活躍した捕手だ、私には佐野クリストという名前の方がなじみがある。

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彼は横浜高校で筒香の同級生だったが、大学卒業後、四国アイランドリーグなどを経て筒香の紹介で堺ビッグボーイズに入り、小学部のコーチとなった。まじめでひたむきで、子供たちの心をつかんでいた。
「みんな、コーチはこれから大事なことを言います」そういう口調で、子供たちの方をまっすぐ向いて話した。

筒香と一緒にアメリカにわたって、サポートをするのは、佐野さんにとっても夢みたいなことだったろう。

こういう風景を見て、そして筒香が打撃でも守備でもすんなりチームに溶け込んでいるのを見ると、このまますんなりMLBに適応してDeNA同様の成績を上げそうな気がしてくる。

実際にはそんなことは殆どないのだが、そうなってほしいと思う。
筒香は彼一人ではなく、佐野さんをはじめ、彼の周辺でサポートし、盛り立ててきた多くの人々の「夢」を背負ってアメリカに渡った。
彼はそのことを重荷には感じていないようだが、筒香を応援してきた多くの人々、そして「野球の未来」について考える、私のような外部の人間の期待にもこたえてほしいと思う。

筒香とともに佐野さんの未来も拓けんことを!



2019年E.エスコバー、全登板成績

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