大谷翔平のマッチョ化が話題になっている。例によって張本勲は「だめだよ、プロレスラーじゃないんだから」と批判している。この問題は難しい。
昨年、地元和歌山県橋本市で筒香嘉智に話を聞いた時は、筒香は「筋トレは自分には向いていない」と語った。一時期筋トレをしていた時期もあるのだが、その時は、筋肉が付きすぎて体が動かしにくかった。自分で自分の体がコントロールできなかった。と言っていた。
むしろ体の柔軟性やバランス感覚が大事で、そのためにバランス体操を常にやっているとのことだった。
筒香は十分にボールを引き付けてフルスイングしてボールを飛ばすタイプだ。それだけに、ボールをとらえる一瞬を自分ではっきり支配したいと思うのだろう。
センサーが大事だということだ。
もちろん、近くで見れば引き締まったいい体をしているが、筋肉の盛り上がりは感じない。
「DeNAのチームメイトと比較しても、僕はほっそりしている」と語っていた。

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先日、沖縄で前ソフトバンクの吉村裕基にインタビューした。テーブルを前に向かい合って話を聞いたが、両腕の盛り上がりはすさまじかった。彼は筋トレをしてパワーをつけて飛ばすタイプだ。
筒香との違いは、筒香がじっくり球を見極めるのに対して、吉村は初球からどんどん振っていくタイプだ。
吉村は多少率が悪くても、大きい当たりが欲しいタイプだといえるだろう。

マッチョでの成功例もいくつもある。ダルビッシュなどは筋トレで上体に筋肉をつけた。要するに投球の出力を上げようとしたのだろう。
中には澤村拓一のように、筋トレに凝った挙句に自分の投球を見失った投手もいるが、少なくともパワーピッチャーにとっては筋トレは意味があるのかもしれない。

昔の投手は確かにほっそりしていた。今年の春季キャンプでは、清水直行や佐藤達也などにも話を聞いたが、ごく普通の体つきだった。制球力で勝負するタイプの投手は、自らのセンサーを大事にする意味もあって、そういう体つきの投手もいるのだ。

大谷のマッチョ化は、おそらくダルビッシュの影響ではないかと思う。つまりパワーピッチャーとして活躍するための肉体改造ではないか。
だとすれば、それが打者大谷翔平にどんな影響を与えるのかも興味深い。打者大谷は今季、ノーステップをやめているが、それも関連しているのかもしれない。
ただ、あまり選球眼が良いとは言えない大谷がさらに荒っぽくなるのはよいとは言えないが。


2019年E.エスコバー、全登板成績

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