年間の主たる売り上げの6分の1がなくなるのだ。日本相撲協会の痛手は、限りなく大きい。

大阪、春場所の場合7000人のキャパがある。15日間満員で、10万5000人、客単価は1万円を超え、チケット売り上げだけで10億7000万円になったという。これがすべて飛んだ。相撲の場合、場内売り上げも1万円近い。この売り上げもなくなった。懸賞金などのスポンサーフィーもなくなった。NHKは放映権料を支払うだろうが、それ以外の収入は入らない。

しかし体育館の使用料や、各部屋ごとに支給する交通費や宿泊費、場所手当などの経費は丸ごとかかる。

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大相撲の場合、年間のスケジュールはかっちりと決まっている。本場所をずらすと、その後の巡業や次の場所の予定にも影響する。
無観客場所は、この状況下で、どうすることもできない苦渋の決断ではあったはずだ。

相撲協会としては5月場所は何としても通常開催したいところだ。大阪場所の府立体育館のキャパは7000人だが、両国国技館キャパは1万1千人。15日間で16万5000人。チケット売り上げは17億円、場内の物販売り上げもこれに近い数字。合わせて30億円ほどの売り上げが飛んでしまう。

相撲協会の年間事業収益は115億円くらいで、東京場所3場所で50億円、地方場所3場所で35億円ほどだ。東京場所の比重は非常に重たいのだ。

相撲協会自身は財務的にはしっかりしているが、相撲案内所、いわゆる相撲茶屋の中にはぜい弱な会社も多い。相撲茶屋は現在、東京と大阪に存在し、東京場所は東京の相撲茶屋、大阪、名古屋、九州は原則として大阪の相撲茶屋が取り仕切っているが、最大の売り上げがある大阪の営業が飛んだことで、大阪の茶屋の中には倒産の危機に瀕するところも出てくるだろう。

この話は、プロ野球にとっても他人事ではない。事業収支ではほとんど利益が出ていない球団もあるのだ。ペナントレースの無観客試合が決まれば、経営危機に瀕する球団も出てくるだろう。


2019年E.エスコバー、全登板成績

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