日を追うごとに東京五輪の「通常開催」の可能性は小さくなっている。パンデミックが収まっていないのだから、当然の話だ。

しかし日本政府、JOC、IOCはその事実を認めたがらない。
その理由はいくつかあるが、ほとんど「経済的な理由」だ。
日本政府やJOCはサンクコストの呪縛にとらわれている。日本は、東京開催が決まってからここまで営々と準備を重ねてきた。築地市場の移転を始め、東京と言う都市の改造も行い、インフラを整備してきた。たかだか2週間の「運動会」のためにここまでするかと言う気もするが、そのコストの大きさ、重さのために、それを放擲する様な措置になかなか踏み切れない。責任を追及されることも恐れている。
だから、非常に不自然な形で聖火リレーを始めたりもしている。

IOCは、NBCへの忖度で満ち満ちている。金づるであり、オリンピックにかかわる人々をお金持ちにしたメディアへの気遣いがあるために、さっさと延期、中止を決めることができない。

しかし東京オリンピックは早晩、延期せざるを得ない。これは明白になりつつある。ぎりぎりまでそれを言わないことで、選手や準備をしてきた受け入れ側の担当者などは、先の見通しが立たないために立ち往生しつつある。

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JOC理事の山口香は
「世界で正常な生活ができていない。予定通り開催すると言い続ければ、無理して準備するアスリートを危険にさらす。世界から応援されない状況で開催すれば、誰のための五輪かと言われてしまう」と指摘した。
真っ当な意見だが、JOCの山下泰裕会長は
「さまざまな意見があることは理解しているが、みんなで力を尽くしている時にJOCの中から一個人の発言であっても、きわめて残念な発言」
と言った。この発言で露呈しているように、JOCは選手よりも、自分たちのメンツや立場を重んじている。
これが今の日本のスポーツ界の体質だと言ってもいいだろう。「選手ファースト」と言いながら、「選手は何とでもなる」と思っているのだ。

こんな体質でスポーツの祭典など開いても、何の意味もないと思う。東京五輪は延期ではなく、中止でもいいのかもしれない。


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