東京バンバータの取材は昨年と今年、2回行った。代表の熊本さんに2回お目にかかった。話を聞いていて、感じたのは、この人は「人と同じことは絶対にしない」ということだ。

バンバータにしても、独立リーグにしても、ビジネスモデルが確立しているわけではない。お手本はないし「これだけしておけば大丈夫」というものは何もない。頼るべきものはないのだ。
そんな中で必要なのは、今までと異なるビジネスを展開する勇気と能力だ。

熊本さんは、おそらくそれだけで世渡りをしてきたわけだ。東芝と言う大企業でサラリーマンの経験もあるが、組織に頼ろうという意識は微塵もなかったはずだ。だからamadanaのようなビジネスも展開できた。

東京ヴェルディが熊本さんと組んだのは、この「勇気」と「能力」を評価したからだ。

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スポーツ界は「この組織にいれば、この資格を取れば、この人脈に入れば」「楽な生活ができる」と思う人の塊だと言っても良い。彼らはある時期まではスポーツで頑張ったかもしれないが、そのあとは自分で何かすることはなく、決められた仕組みの中で、できるだけ頑張らずに生きていければと考えている。だから、スポーツ組織は安定すれば、中から腐っていく。プロ野球や高校野球などその典型だ。

Jリーグはどうなのかは知らないが、同じような傾向ではないか。ヴェルディ側が熊本さんを評価したのは、彼が「変革者」だったからだろう。むしろヴェルディが、バンバータに助けを求めた、という部分があるのだ。

私は同様の流れで、独立リーグとJリーグは手を組めばいいと思う。独立リーグはほとんどが倒産寸前の苦しい中で生きている。ビジネスモデルが確立されていないから、各球団のビジネスは本当にばらばらだ。独立リーグは「ビジネスモデルの見本市」のようになっている。
だからその中で、成功しないまでも何とか切り盛りしている独立リーグは、経営能力、企画力があるのだ。

Jリーグが、独立リーグと組むというのはそういうことだ。もちろん、Jの側も優秀でなければ提携はうまくいかない。しかし、そのカップリングは、NPBと組むよりもはるかに可能性があると思う。

NPBで冒険心のある経営をしているのは、DeNAくらいだろう。DeNAは、スポーツ事業部だけが黒字だ。DeNAグループをベイスターズが引っ張っている。親会社にぶら下がるどころではないのだ。だから知恵が回る。

「資金」「財力」があっても「気力」「能力」がない企業と組んでも、将来展望は開けないのだ。


年度別チーム第1号本塁打は俺だ! 広島編

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