DIPSは、投手の本質的な実力を示す数値とされる。奪三振、与四球、被本塁打という投手がコントロールできる3つのSTATSだけでできている。発案者のボロス・マクラッケンによれば、被安打は「運」の要素が強く、投手の実力とは無関係だという。その証拠に、多くの投手は奪三振、与四球、被本塁打は毎年、ほぼ一定だが、被安打の数字は意味もなく変動する。
しかし、横浜ベイスターズ投手陣のここ4年間の被安打数を見ていると、運が悪くて安打を打たれたとは思えない。毎年安定して最多なのだ。横浜ベイスターズ、投手の各種STATSのリーグ順位。
一般的には、被安打が多い要因として「球威」「コントロール」「外野に飛球を打たれる(外野に飛んだ飛球の5割強が安打になる)」ことがあげられる。これは投手の基本的な徳目でもある。
横浜は、被本塁打でも断トツである。統一球導入元年の今年も117本を打たれているが、これは5位ヤクルトよりも24本、1位中日よりも44本も多い。確かに横浜スタジアムは、セリーグ本拠地としては最小だが、ここまで数字が突出するのは球場のせいとはいえない。マクラッケンも被本塁打は「投手がコントロールできる数値」と認めている。各打者が本塁打を打てるポイントはほぼ決まっている。そこに投げないこと。タイミングを狂わせることなどで、被本塁打はある程度防ぐことができるのだ。
さらに、横浜は断トツではないが、四球が多い。結果として投手が1回に許す出塁数=WHIPがずっとリーグ最悪である。また奪三振も少ない。
こうした数字から見えてくるのは、投手陣の整備も「何もしていない」のではないか、ということだ。もちろん、良い投手がいないから、数字が悪くなるということも言えるだろうが。唯一、今季の四球数が減ったのは、尾花高夫監督がいう『アナライジング・ベースボール(分析野球)』(四球を増やし、与四球を減らす)の成果かと思う。手遅れだが。
結果として、横浜は攻守の収支において、極端な“赤字”である。
言うべき言葉を失う。尾花監督は、投手育成の手腕で高い評価を受けたコーチだったが、チームを掌握していなかったのだと思う。
植村義信、八木沢壮六など名コーチといわれた指導者が監督として失敗するケースはしばしばみられる。技術的指導や、個別の選手育成の手腕と、指揮官として球団全体を統率する能力は別物だということだろう。意地悪な見方をすれば、名コーチは監督という後ろ盾、威光があってはじめて活躍できたのかもしれない。
この極端な数字の責任は、もちろん現場だけが負うものではない。明日は選手獲得などフロントの領域も見てみる。
私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひ、コメントもお寄せください!
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一般的には、被安打が多い要因として「球威」「コントロール」「外野に飛球を打たれる(外野に飛んだ飛球の5割強が安打になる)」ことがあげられる。これは投手の基本的な徳目でもある。
横浜は、被本塁打でも断トツである。統一球導入元年の今年も117本を打たれているが、これは5位ヤクルトよりも24本、1位中日よりも44本も多い。確かに横浜スタジアムは、セリーグ本拠地としては最小だが、ここまで数字が突出するのは球場のせいとはいえない。マクラッケンも被本塁打は「投手がコントロールできる数値」と認めている。各打者が本塁打を打てるポイントはほぼ決まっている。そこに投げないこと。タイミングを狂わせることなどで、被本塁打はある程度防ぐことができるのだ。
さらに、横浜は断トツではないが、四球が多い。結果として投手が1回に許す出塁数=WHIPがずっとリーグ最悪である。また奪三振も少ない。
こうした数字から見えてくるのは、投手陣の整備も「何もしていない」のではないか、ということだ。もちろん、良い投手がいないから、数字が悪くなるということも言えるだろうが。唯一、今季の四球数が減ったのは、尾花高夫監督がいう『アナライジング・ベースボール(分析野球)』(四球を増やし、与四球を減らす)の成果かと思う。手遅れだが。
結果として、横浜は攻守の収支において、極端な“赤字”である。
言うべき言葉を失う。尾花監督は、投手育成の手腕で高い評価を受けたコーチだったが、チームを掌握していなかったのだと思う。
植村義信、八木沢壮六など名コーチといわれた指導者が監督として失敗するケースはしばしばみられる。技術的指導や、個別の選手育成の手腕と、指揮官として球団全体を統率する能力は別物だということだろう。意地悪な見方をすれば、名コーチは監督という後ろ盾、威光があってはじめて活躍できたのかもしれない。
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