MLBは6月10日に予定通りアマチュアドラフトを実施すると発表した。

もともとオンライン会議だから、大きな変化はないが、今季は、前年まで40巡目まで指名することができたのを、5巡目までにすると発表した。ドラフト指名される選手は昨年までは全体で1200人ほどだったが、これが150人程度になる。


MLBは、これに先立ち、160球団あるマイナー球団の内40球団と契約を結ばないと発表している。これは新型コロナ禍の前に打ち出した施策であり、高コスト体質になっているMLBの経営改善が目的だった。
1.現在160チームの全マイナーリーグの26%減にあたる42チームを削減する。
2.削減対象は主にショートリーグやルーキーリーグに所属するチーム。
3.新人ドラフト会議を6月から8月に移し、指名ラウンドも現在の40巡から20巡に減らす。
4.1球団組織が傘下にもつマイナーリーグの現在の7~9階層から5階層に限定する(3A、2A、 1A+、1A、混合)。1球団組織が保有する選手数も現在の200人超から150人に減らす。


今のMLBのヒエラルキーはこうなっている。

MiLB


MLBとその傘下には19リーグ、245チームがあるが、ここからMLB2リーグ30球団、実質的なメキシコのトップリーグで、MLB球団とアフィリエイト(傘下)関係にないメキシカン・リーグ16球団、そしてMLB球団直営のルーキーのアリゾナ・リーグとガルフコースト・リーグの39チームを除く14リーグ160チームが整理の対象になる。
整理された球団は、独立リーグとして存続を目指すと考えられている。
しかし新型コロナ禍で、存続できなくなる球団もできてくるだろう。

yankee


またドラフト指名も今季は20名に絞り込むことになっていた。これをさらに5人まで絞ることになったわけだ。

北米4大スポーツの中でも抱えている選手数がけた外れに多いが、この大胆なリストラによってMLBは急速にシュリンクすることになる。

最終的な「就職先」が、減少するのだから競技人口の減少も避けられないだろう。通常で言えば、そうなれば業界全体での売り上げや選手の年俸も下がると思われがちだ。
日本の経営者ならそういう形になるだろうが、MLBの場合、リストラは収益性を高め、残存する球団や選手の取り分を高めることを目的にすると考えられる。

MLBは恐らくは「攻め」のリストラだ。NPBも今後厳しい環境が続くだろうが、日本はMLBのような大胆な「球界再編」ができるだろうか?


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