JOCは、非常に慌てて来年7月への東京五輪の延期を決めた。

東京五輪は、安倍政権にとっても、日本の経済界、朝日からサンケイまでのメディアにとっても「絶対に成功させなければならない」国家的な翼賛事業だった。
だから当初は、今年の開催を死守しようとした。新型コロナ発生を過少視したのもそのためだ。
しかし、それが難しくなると、ほとんど根拠もないのに「1年後」に決めてしまった。今やその判断がかなり微妙になってきている。

新型コロナの第1波が世界を一巡した今、国ごとの状況を見ていると、大きく分けて2つのモデルがあることが見えてきたと思う。

一つは「台湾モデル」だ。台湾は感染初期に中国との国交を封鎖した。そのうえで、完璧なクラスター戦略を展開し、感染者、死者数を最小限に封じ込めた。台湾プロ野球は4月12日に開幕し、5月8日には1000人限定で観客を入れ、15日にはこれを2000人に引き上げた。しかし今のところ、感染者は出ていない。恐らく台湾は、感染をほぼ完全に封じ込めた。感染率は極めて低いだろう。その代わりに実質的に鎖国をしている。今後は、ワクチンができるか、ウイルスが低毒化するまで、鎖国を続けることになる。経済的には厳しいだろう。

もう一つは「スウエーデンモデル」だ。当初から「集団免疫」の獲得を目指し、厳しい感染対策は取らなかった。このために感染者も死者も増大したが、おそらく来年後半には感染拡大は収まるだろう。医療は疲弊し、社会も混乱するが、経済的なダメージは少ない。
欧米は、結果的にこちらのモデルになりつつある。犠牲者を多数出しながら、ウイルスとの共生を目指すことになる。

日本は、今のところ感染者数は非常に少ない。「台湾モデル」に近い形で推移している。だから感染者数が拡大しない限り、国内スポーツは少しずつ再開できるとは思うが「スウエーデンモデル」の国から人を受け入れることはできない。鎖国政策になると考えられる。

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それを考えれば、来年の東京オリンピックは、ほとんど不可能なのではないか。
開催するためには、
 1.日本の感染が収まっていてスポーツ、スポーツ観戦ができる環境にあること
 2.世界各国の感染拡大が収まり、選手や観客を受け入れることができること
が必要だが。
2つともに可能になるためには、端的には7月までにワクチンが完成して、日本、世界の多くの人が摂取可能になっていなければならない。

こう考えてみても、これはほとんど不可能ではないかと思う。

IOCは「東京五輪の再度の延期はない」と明言している。
このことを考えても、JOCや日本政府は「希望的観測」でずるずると事態を看過するのではなく、東京五輪の中止、あるいは何らかの代替策を考え始めるべきだろう。

もちろん、いろいろな状況が好転して東京五輪が開催可能になれば、それはそれでよいが、それ以外の「B案」「C案」を用意するのがまともなマネジメントだろう。

日本人は「最悪の事態を考えず、神風が吹くと信じる」人たちではある。しかしそれで済ませることができる事態ではないと思う。

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